アメリカの「QE3」とは? なぜ注目?/木暮太一のやさしいニュース解説
QE3とは? アメリカの連邦準備制度理事会(FRB)によって実施されている量的金融緩和政策のこと。「Quantitative Easing program 3」の略称です。 アベノミクスの第1の矢として金融緩和政策を行っていますね。それと同じ政策で、景気を良くするために実施されています。
量的金融緩和政策の第3弾
「“QE3”の“3”って何?」 これは「第3弾」ということです。第1弾はQE1、第2弾はQE2とそれぞれ呼ばれています。 ちなみにQE1は、2008年のサブプライムローン問題、そこから引き起こされたリーマンショックや世界同時株安などの金融危機が起こった際に実施されました。時期で言うと2009年3月から2010年3月までです。 QE2は、2010年11月から2011年6月まで行われました。 「この期間は、何か経済的な事件が起こってたの?」 この時は、何か特別なことが起きたわけではなく、アメリカの景気回復の促進などを目的として実施されました。 そしてこのQE3は、「雇用(失業率低下)」をかなり重視して実施されています。経済にはいろいろな指標がありますが、このQE3は「失業率を低下させるまで続ける」と明言されています。 そして最近、アメリカ経済も持ち直してきており、このQE3がいつ終わるかが大きな注目を集めています。 「なぜ?」
世界中にばらまいたお金を“回収”
それは、世界中にばらまかれたお金が“回収”されることになるからです。 QE3という政策は、景気を良くするための政策です。ただ、具体的な政策内容としては要するに、「みんなが安く、大量にドルを借りることができるようにする政策」です。この政策の影響で、多くの投資家が資金を手にし、そのお金で世界中(特に新興国)に投資をしています。 ●QE3が行われた →ドルが大量に市場に出回ったため、投資家が安く借りることができるようになった →その結果、投資家がドルを借りて、それを新興国の通貨などに替え、新興国に多額のお金が投資された のです。 そのため、新興国は潤い、経済が発展していったのです。しかし、QE3が終わると、今度はそのお金が逆流し始めます。 「どういうこと?」 新興国に投資されているお金は、投資家本人のお金ではなく、「借りてきたお金」です。そしてそのお金を借りることができたのは、QE3が実施されていたからです。それが終わると、状況は変わりますね。 「そのQE3が終わると、どうなるの?」