“挑発、煽り”を禁止した阪神の私設応援団「熱い応援と過激な応援は違う」
2023年シーズンは18年ぶりのセ・リーグ優勝に加えて、1985年以来の38年ぶり2度目の日本一を決めた阪神タイガース。一方で90年代の暗黒時代と呼ばれる低迷期や、あと一歩のところで優勝を逃すという辛酸をなめたシーズンも幾度もあった。 そうした苦難の間も必死に応援し続けた阪神ファンは大勢いるが、今回は私設応援団「築地猛虎会」の会長である石川清さん、同じ会に属している中松圭さん・礼子さん夫妻に「阪神を応援し続ける理由」について訊ねてみた。 ⇒【写真】東京ドームの外野席で
阪神ファンになったきっかけは…
阪神を応援するきっかけになったのは、石川さん、中松夫妻ともに三者三様である。 「私は北九州の出身なんですが、1958年6月25日の天覧試合で長嶋茂雄にサヨナラホームランを打たれた村山実の姿を見て、阪神ファンになったんです。当時の福岡は西鉄ライオンズが君臨していましたから、周囲にしてみればタイガースファンの私は異質に映ったと思います。そうして社会人になったとき、会社の先輩の誘いで会社内のタイガースの会に参加したのを機に、本格的に応援するようになりました」(石川さん) 「私は兵庫の宝塚出身なのですが、7歳くらいのときに親父に連れられて甲子園球場に来たんです。そのとき球場内で売っていたイカ焼きの味が忘れられなくてね。一方で甲子園に来ている大人のファンの雰囲気がものすごく怖かったこともよく覚えています。そうこうして、何度も甲子園のアルプスで応援しているうちに、自然とタイガースファンになっていきました」(中松圭さん) 「私はもともと小学生の頃からアンチ巨人だったのですが、東京育ちということもあって、周囲は巨人ファンのほうが圧倒的に多かったんです。そのこともあって、なかなか阪神ファンであることを周囲に公言できなかったのですが、星野仙一さんのファンでもあったこともあって、星野さんがタイガースの監督に就任した2002年から大手を振って応援するようになりました」(中松礼子さん)