【試乗】スバルに乗るともう一歩先に行きたくなる不思議! クロストレック&フォレスターだからできた八丈島満喫旅
乗り手をもアクティブにするスバルのSUV
次に探しに出かけたのはサイクリングロードだった。八丈島は信号もクルマも少ないので、いつでもどこでもレンタルでもサイクリングはできる。サイクリングで島を一周するのも可能だけれど、アップダウンが多いのでエキスパート向けらしい。ならば気もちのよさそうなところで自転車を降ろして楽しめばいい。島の中心部から八丈道路を南下するとあっという間に海岸線へ。海風を感じながらきれいに舗装された道をペダルをこいだりコースティングしたり、展望エリアで海を眺めたりと、気ままなサイクリングを楽しむことができた。 午後はクリスタルホワイト・パールのフォレスターAdvance(AWD)e-BOXERに乗り換え、八丈島の見どころのひとつ「玉石垣」を見に行った。フォレスターは、クロストレックと同じプラットフォームやパワートレインを採用しているけれど、車幅はクロストレックより15mm広く全高/室内高ともにフォレスターのほうが高いため見た目にも大きく、また室内もゆったりとしている。そこにメーカーオプション装着のブラウン×ブラックのナッパレザー(本革)にシルバーのステッチが施されたシートやトリムを採用する今回のモデルは上級グレードらしさが増していた。 搭載するパワートレインはクロストレックと同じ2リッター+モーターのe-BOXERだが、フォレスターは2018年にデビュー、クロストレックは2022年の登場のためか音や振動対策についてはやはり新しいモデルに分がある。スポーティな印象もクロストレックが強めだ。しかし車格感はフォレスターが勝る。走り出しからドッシリと重厚感があり、コーナリングはどちらかといえばしなやかだけどスイスイ走るのがスバルらしい。パッケージも含め人気があるのも頷ける。 玉石垣は六方積みという手法で規則正しく積み上げられた石垣で、美しく見応えもあった。この玉石垣は暴風雨から住居を守るために波に削られた石を流人が積み上げたらしい。島内のあちこちで見かけられるようだけど、かつて島庁がおかれていた大里エリアは保存状態もよく規模も大きいので存在感、見栄えは島で一番のようだ。 アクティブドライブの仕上げに釣り好きの提案で港に向かう。釣りの成果は……。そんなに簡単にはいかなかったものの、ぼーっと糸を垂らし海を見たり空を見上げたりする時間も贅沢で貴重な体験になった。 お店の前を通りかかったら立ち寄らせてもらおうと思っていた地元で育てた観葉植物などを扱うボタニカル&カフェ「DRACO」にも訪れることができた。こういうのもドライブ旅の醍醐味だ。 東京から飛行機で1時間もかからない八丈島は、現代の人工物(玉石垣は現代ではない)で観光客を呼ぶような観光スポットはなく(と思う)、一方できれいな舗装路は完備されていたのが印象的だった。大手コンビニエンスストアもなく、まさに地元の人々が生活する島にお邪魔するような八丈のドライブはのんびりだけどワクワクもある小旅行となった。 少々行き当たりばったりではあったけれど、あっちへ行ったりこっちへ行ったり……。今度は久しぶりに海に潜りたいと再訪のチャンスをすでに狙っている。スバルのオールシーズン、オールウェザー、オールロードの走破性や安全性、安心感がその気にさせてくれたのだ。
飯田裕子