「オバタリアン」が死語となり、「おじさん」批判も大炎上…間違っても他人を“揶揄”できない「政治的に正しい時代」はどこへ向かうのか
女性や高齢者に置き換えたら
これに対してネット上では批判が殺到したのだ。この“自称84歳”に対し、厳しい意見が多数書き込まれたが、以下に紹介するコメントがその多くの批判の趣旨を要約している。 〈「1万円のステーキと3000円」ですらなく、「爺に1万円のステーキをおごってもらいつつ2時間話を聞かされるのと、1銭ももらえない」の比較でも束縛されないほうを選ぶよなあ普通。他人の2時間が1万円分のステーキごときで購えると思うな。〉 このように若者男性はともするとおじさん・老害からくどくどと説教され、「オレ達の時代はだな……」と嘆かれる局面が多く、この時も、“1万円ステーキ”の書き込みをきっかけにフラストレーションが爆発した。 ところで、「おじさん」だが、「おじさん」(オヤジ・オッサンも含む)という言葉が含まれる“差別用語”は数多ある。以下、代表的なものを紹介しよう。 子供部屋おじさん/おじさん構文/働かないおじさん/ハゲオヤジ/セクハラオヤジ/加齢臭/ヘベレケオヤジ/オヤジギャグ/ただのオッサン/ヘンなおじさん/エアポート投稿おじさん いかがだろうか。もし、これを女性や高齢者に置き換えたら、批判殺到は間違いない。さらに、おじさんが揶揄されてしまうステータスには以下がある。
いたく傷ついた
低年収/低学歴/毛髪の量が少ない/低身長/デブ/ガリガリ/アパートに住んでいる/独身/実家暮らし/メッセンジャーやDMで絵文字を使う/自撮り写真公開/フェイスブックにハマる/くしゃみの音が大きい/ソバ打ちをする/アニメ・フィギュア好き/メイドカフェ通い/若作りをする/チノパン・短パンにシャツインする/短パンをはいている時にスネまでの靴下をはく/そもそも短パンをはく行為(※6月、ニュース番組で「男性の短パン。あり? なし?」特集を実施)/すね毛や腕毛、手の甲毛が濃い 中でも「低身長」は2022年に大炎上を巻き起こした。当時プロゲーマーだった「たぬかな」さんは生配信中に「170cmない方は、『オレって人権ないんだ』と思いながら生きていって下さい」「ちっちゃい男に人権あるわけないだろお前、調子乗んな」などと発言し、大炎上。その結果、所属チーム「CYCLOPS athlete gaming」から解雇された。 彼女に寄せられた批判コメントの中には、なんと殺害予告を匂わすようなものまであり、私も「さすがにこれはやり過ぎだろう。そこまでの話かよ」……と思った。しかしその後、この私の考えを改めざるを得ない事態に直面した。私の知り合いの男性(身長162センチ)が、この彼女の発言にいたく傷ついたと言ってきたのだ。