2025年予測 自社業界の倒産が「増える」63.0% 物価高で「売上」は伸長、「利益」は慎重な見通し
2025年「倒産、業績予想」アンケート調査
来年(2025年)、自社業界の倒産が「増える」と考える企業が63.0%に達した。昨年同時期に調査した2024年の倒産予測では増加予測は56.7%で、6.3ポイント上昇した。 2024年1-11月の企業倒産は9,164件(前年同期比16.2%増)で、11年ぶりに年間1万件を超えるペースで推移している。今回のアンケート結果は、コロナ禍の各種資金繰り支援などに下支えされていた企業の淘汰が加速し、2025年は企業倒産が本格的に増勢に転じることを暗示している。 東京商工リサーチ(TSR)は、12月2日~9日にアンケート調査を実施し、2025年の自社業界の倒産件数や自社の業績予想を聞いた。 2025年の業績予想は、「増収」40.9%、「減収」22.0%で、売上伸長の見通しが4割を超えた。利益は、「増益」28.6%、「減益」28.1%と拮抗し、種々の物価高の中で慎重な姿勢が目立つ。 世界の景気拡大やインバウンド増に加え、商品やサービスの価格改定(値上げ)が相次ぎ、トップライン(売上)は伸長を見込む。だが、原材料や人件費、エネルギー価格などコスト増の吸収については厳しい見通しから、「利益なき繁忙」が続くとみる企業が多いことがわかった。 ※本調査は、2024年12月2日~9日に、インターネットによるアンケート調査を実施し、有効回答6,697社を集計・分析した。 ※資本金1億円以上を大企業、1億円未満(個人企業等を含む)を中小企業と定義した。
Q1.2024年(1-12月)の倒産件数は、11年ぶりに1万件を超える可能性があります。来年(2025年)の貴社業界の倒産動向は、どのように予想しますか?(択一回答)
◇「増える」が6割超 自社業界の来年の倒産見通しを聞いた。 「増える」は63.0%(5,821社中、3,667社)、「減る」は2.7%(157社)、「変わらない」は34.3%(1,997社)だった。2023年12月の調査(2024年の倒産予想)では、それぞれ56.7%、3.7%、39.4%だった。 「増える」と回答した企業が多い業種(中分類、回答母数10以上)では、「織物・衣服・身の回り品小売業」の91.6%(12社中、11社)が最多だった。 「減る」と回答した業種では、インバウンド需要に沸く「宿泊業」の13.3%(30社中、4社)が最も多かった。