ティファニーとシティホテルで15万円!令和の若者が驚愕する「昭和のクリスマスデート」
● 理想のクリスマスデートの実行には 巨額の費用が掛かった 当時、理想とされたクリスマスデートのモデルケースは、だいたい次のような流れです。 フレンチレストランでディナー(2人で4万~5万円)→ 夜景がきれいなバーでカクテルなど(2人で1万~2万円)→ 彼女へのプレゼントにティファニーのオープンハート(2万~3万円)→ シティホテルに宿泊(5万~6万円)。 クリスマス前になるとデパートのティファニーの店舗に男性客が行列を作る光景が、新聞やテレビで取り上げられたものです。 都会の人気のシティホテルは、クリスマスイブに泊まるためには1年前から予約を入れる必要があると言われていました。一部の男性のあいだでは、現時点では一緒に過ごす相手がいなくても、前の年からとりあえず24日と25日の予約を入れておくという「ライフハック」もあったようです。用意周到というかケナゲというか……。 こうしたデートを実行しようと思うと、軽く15万円ぐらいかかります。当時は「デート費用は男性が持つのが当然」という常識がありました。 今の若者の皆さんは「やっぱり当時は景気がよかったんだな」と思うかもしれませんが、それは違います。アルバイトの時給は今の半分以下で、ほとんどの若者がリッチだったわけではありません。普段はカップ麺をすすって節約しながら、クリスマスという「一世一代の大勝負の日」に備えたのです。 ただし、ここは大切なポイントですが、そういう「理想のクリスマスデート」を実際に経験できた昭和人間は、決して多くはありません。ほとんどの若者にとっては、「いつかそういうクリスマスデートをしてみたい」という憧れの対象でした。 憧れつつ情報を収集しているうちにクリスマスは終わり、また来年のクリスマスが近づいて「今年こそは」と闘志を燃やし……という展開を繰り返したものです。 前の年からのシティホテルの予約も、本人の気合いばかりが空回りして、直前にキャンセルされたケースがほとんどだったことでしょう。そうやってできた空室は、「どうせ直前になったら部屋が空くから」と余裕しゃくしゃくでクリスマスを迎えるような、経済的にもモテっぷりでも「勝ち組」の男性がサクッと押さえました。ちょっと悲しい話です。