大男に挟まれた戸澤陽と“100%英語”スピーチのブル中野…レッスルマニア前夜に見たWWEと日本人レスラーの“プロ意識”【清野茂樹アナ連載#11】
昨年10月、SNSの総フォロワー数が世界で10億人を超えるアメリカが誇る世界最高峰のスポーツエンターテイメントであるWWEのメイン大会RAWとSMACKDOWNの放送が日本で開始された。 【映像】戸澤陽“大仕事”も大男に挟まれ脱落の瞬間 さらに今年1月27日(日本時間28日)に行われたロイヤルランブル以降は、放送席の陣容を一新。自他ともに認める“WWEウォッチャー”の清野茂樹アナウンサーらが加わった。そんな清野アナが、自らの実況回ごとにWWEの魅力や楽しみ方を振り返る連載コラム。第11回目のキーワードは「プロフェッショナリズム」。プロレス界最大の祭典前夜に見た2人の日本人とレッスルマニアに共通するものとは。
アンドレ杯で爪痕を残した戸澤陽の健闘
WWEは前夜祭も徹底的にやります。前回のSMACKDOWNは「レッスルマニア」の前日、8万人を収容する巨大スタジアムのすぐ隣にあるアリーナに約2万人を集めて開催。試合も乱闘もインタビューも、年間最大の祭典に向けた最後の煽りがこれでもか、と盛りこまれていました。 この中で最も印象的だったのが「レッスルマニア」出場メンバーに名前が入っていないメンバーによる、アンドレ・ザ・ジャイアント杯バトルロイヤルです。20人近いスーパースターたちが一度にリングに入って、トップロープからリングの外に落とし合うルールで、日本の戸澤陽が優勝直前まで残る大健闘をしました。しかも、他に残ったのは、ブロンソン・リードとアイヴァーという、140キロ近い巨漢。その中で素早く動き回る戸澤の姿に、途中まで優勝を期待したほどです。 最終的には、アイヴァーに捕まってリング外に軽々と放り投げられて失格したわけですが、体が大きい2人に挟まれて動き廻る様子はアメリカのファンにもインパクトを残したはずです。体格や技ではなく、自分の武器であるスピードで勝負した陽気な筋肉質の日本人。大勢が一度にリングに入る生き残り方式のバトルロイヤルは、アメリカの生存競争の厳しさを象徴している気がします。