死刑執行の日まで繰り返される「死刑の練習」の「衝撃の全貌」…死刑に参加した刑務官が明かす
日本では死刑判決はどう行われ、死刑囚はどんな生活をして、死刑はどう執行されるのか。漫画家・一之瀬はちさんが実際に死刑に立ち会った刑務官に取材した『刑務官が明かす死刑の秘密』を取り上げる。 【マンガで読む】死刑執行の日まで繰り返される「死刑の練習」の「衝撃の全貌」
ミスは決して許されない
拘置所には死刑にまつわる様々な道具や設備が備わっている。 たとえば、死刑執行の前に必要な道具のひとつに「砂袋」がある。いったいに何に使うのか。 「これは『死刑の実験』に使います。死刑『本番』でミスは決して許されない。落下しない、落ち方が足りないといった事態を防止するために行います。 死刑が決まると、拘置所の警備隊が事前に死刑囚の身長と体重を調べます。そして死刑囚の体重と同じ重さの砂袋を刑場に用意し、その砂袋を当日死刑囚が吊るされるのと同じようにくくり付け、実際に執行ボタンを押して下ろしたり上げたりする。 人間の首というのは執行の際、20~30cm伸びると言われており、それも加味してひたすらに練習を繰り返します」(取材したM刑務官) 確実に執行を遂げるためにこの砂袋は必須のアイテムとなっている。
死刑終了後に…
死刑終了後に必要となるのが、「棺」と「白装束」だ。いつ執行されるか分からず、場所も取るため、事前に“ストック”しているわけではないという。 死刑が執行され世間に公表されると、刑務官は速やかに「棺と白装束一式ください」と葬儀屋に連絡を入れる。 「棺は1つ2万円ほどの簡素なもの、白装束は脚絆や手甲など無い白い着物のみ。これらはすべて税金から用意されるため最低限のものとなっています」(M刑務官) また、白装束については拘置所内で使用される“隠語”にもなっているという。 「死刑執行のことを、死刑の際に床が抜ける音に由来して『バッタン』、死亡することを『白い着物』と言う隠語が存在する」(M刑務官) * * * 本記事では拘置所内で使用される道具や設備について取り上げた。死刑制度は賛否両論があり、どちらの考え方が正しいという性格のものでもない。だからこそ、今一度「死刑」について深く考えるきっかけになるかもしれない。 【もっと読む】「死刑執行ボタンを押す瞬間」に起きたあり得ない事態…死刑に参加した刑務官が告白
+オンライン編集部