山辺出身の童謡詩人・武田勇治郎の魅力知って 町民グループ、来月1日に新作朗読劇披露
山辺町出身の童謡詩人武田勇治郎(1919~48年)が書いた方言に関する記録を基に、町民グループ「武田勇治郎を詩(うた)う べっきの会」(中谷美智子代表)が新たに朗読劇を作った。12月1日に町中央公民館で開く公演で披露し、武田の創作の原点と言える旧相模村(同町)での生活を色濃く伝える。 武田は同町要害に生まれ、山形市の書店に勤めながら、田園風景などを題材に童謡詩を作った。大戦での兵役に従事し、帰国後に病に倒れ、28歳の若さで亡くなった。 武田が39年に書いた「村の傳承(でんしょう)」には、東村山郡の学校で約3年間、子どもに方言ではなく標準語を使うよう指導したが、なかなか浸透しなかったという記述や、子どもが「くた(食べた)」「ほだ(そうだ)」などの方言を何回使ったという記録がある。朗読劇では、方言をちりばめて当時の学校生活を愉快に表現する。 開演は午後1時。ほかに、武田と親交があった女性との恋愛模様を往復書簡の形で表現した朗読劇、代表作「花のいろ」の合唱、詩「ねぼすけ蛙(カエル)」などの朗読を披露する。中谷代表は「土俗的で温かい詩を作った童謡詩人という一面だけでなく、勇治郎の原点を含めて多角的に知ってもらいたい」と話す。男声コーラスや大黒舞のステージもある。入場無料。