死亡前「ごめんなさい」何度も 「1日1食」「叱責して暴行」常態化 青森・八戸市5歳虐待死
今年1月、青森県八戸市柏崎4丁目の自宅アパートの浴室で、長女=当時(5)=に冷水を浴びせて放置し死亡させたとして、保護責任者遺棄致死罪に問われた無職の母親(22)の裁判員裁判初公判が26日、青森地裁(藏本匡成裁判長)で開かれた。女児は当時、寒くて暗い浴室で立たされたまま「ごめんなさい、ごめんなさい」と繰り返していたことを検察側が明らかにした。 検察側は公判で、母親と共犯とされる交際相手の男(32)=同罪で起訴=による女児への日常的な虐待にも言及。冒頭陳述などによると、母親は昨年6月まで母や姉と暮らしていた千葉県の実家で、女児への暴力などを母らに注意されたほか、八戸市の男の実家に転居した同7月以降にも、男の家族にネグレクトなどで児童相談所に通報された。同10月ごろには、女児に1日1食しか食事を与えず、隠れて食べ物を口にしようとした際には叱責(しっせき)したり、暴行するようになったという。 5歳だった女児の体重は14.5キロと3歳児の平均体重ほどしかなく、全身には新旧入り交じった多数の傷があった。 また検察側は、男が「日常的に暴力を振るったが、保育園入園を控えて、あざが残るのは問題になると考え、代わりに冷水を浴びせるようになった」という趣旨の供述をしていたとした。 証拠調べでは、母親の母が「女児は明るく元気な子で、走り回るのが大好き。ふりかけご飯が好きで2杯も3杯も食べていた。警察署の霊安室で会った女児は痩せて小さくなっていて、かわいそうで仕方ない」と述べた供述調書が読み上げられた。母親は時折、スエットの袖で涙をぬぐいながら聞いていた。