健気に支え合う兄弟の姿が 『Brother ブラザー 富都のふたり』新ポスター&本予告公開
2025年1月31日よりヒューマントラストシネマ有楽町、シネ・リーブル池袋、テアトル梅田ほかにて全国公開される、マレーシア・台湾合作映画『Brother ブラザー 富都(プドゥ)のふたり』の本予告と新ポスターが公開された。 【写真】『Brother ブラザー 富都(プドゥ)のふたり』場面写真 本作は、2020年に大阪アジアン映画祭でも上映された『ミス・アンディ』などのプロデューサーとして活躍してきたジン・オングが、自ら監督・脚本を手がけた長編デビュー作。マレーシア・クアラルンプールの荒廃したスラム地区プドゥで、身分証明書すら与えられず、人間としての基本的な権利を奪われて生きてきた兄弟の過酷な運命を描く。 2023年、イタリアのウディネ・ファーイースト映画祭で最高賞を含む3賞を独占受賞した本作は、11月21日にロサンジェルスで開催された『アジアンワールドフィルムフェスティバル』でも最高賞のスノーレオパード賞と最優秀俳優賞(ウー・カンレン)を受賞。また12月7日に発表されたマレーシア映画祭でも新人監督賞、助演男優賞など5部門を受賞し、全世界18の映画祭で23の賞を獲得した。さらに、2025年の第97回アカデミー賞国際長編映画賞のマレーシア代表にも選出されている。 マレーシア・クアラルンプールの富都(プドゥ)地区にある荒廃したスラム街。この地域には不法滞在者2世ともいえる、様々な国籍・背景を持つ貧困層の人々が多く暮らしている。その場所で、身分証明書(ID)を与えられず、兄弟として成長してきた兄のアバン(ウー・カンレン)と弟のアディ(ジャック・タン)。アバンはろうあというハンディを抱えながらも、市場の日雇いで堅実に生計を立てている。一方アディは、簡単に現金が手に入る裏社会と繋がっていて、彼の行動は常に危険を孕んでいる。そんなある日、アディの実父の所在が判明し、ID発行の可能性が出てきた。しかしある事件が2人の未来に重く暗い影をもたらしていく。 ろうあの兄アバンを演じたウー・カンレンは、本作の演技で金馬奨最優秀主演男優賞を受賞。オング監督のプロデュース作品の常連的存在であるマレーシアの俳優、ジャック・タンが無鉄砲な弟アディを演じた。さらに、アバンとアディの育ての親として、2人を子供の頃からさまざまな形で支えてきたトランスジェンダーのマニー役でタン・キムワン、社会の底辺に生きる人々に寄り添い、献身的なサポートに尽力するジアエン役でセレーン・リム、アバンに報われることのない思慕を寄せるミャンマー人シャオスー役でエイプリル・チャンが出演している。 本予告では、身分証明書もなく身寄りのない兄弟を幼い頃から母のように支えてきたトランスジェンダーや、2人の身分証明発行に尽力するボランティアの女性などが登場し、過酷な運命に翻弄されながらも健気に支え合う兄弟の愛が映し出されている。 あわせて、自分の危険な仕事が原因で距離を作ってしまった兄との関係を、もう一度修復しようとする弟との切ないダンスシーンが切り取られた新ポスターも公開された。
リアルサウンド編集部