AmazonロッカーやIKEAの受け取りセンター 島根、鳥取に商品の受け取り拠点開設相次ぐ 配送負担軽減と消費者の利便向上
トラックの運転手不足で物流が滞る「2024年問題」に対応するため、大手小売業者が相次ぎ、島根、鳥取両県に商品の受け取り拠点を設けている。ネット通販のアマゾンジャパン(東京都)は、注文した商品を好きな時間に受け取れるロッカーを設置し、家具販売などのイケア・ジャパン(千葉県)は大型家具などの受け取りセンターを開設した。配送拠点の開設により、消費者宅までの間を結ぶ「ラストワンマイル」の配送負担軽減と消費者の利便向上につなげる。 【12年で6兆円投資】アマゾンが日本市場に積極投資する理由とは
アマゾンジャパンは4月以降、松江市のドラッグストア2カ所と出雲市のスーパー1カ所の敷地内に「Amazon(アマゾン)ロッカー」を設置。鳥取県でも昨年12月以降、スーパー4カ所に設けた。 利用者は、商品購入時にロッカーを配送場所に指定。スマートフォンなどから取得した受け取り用のバーコードや認証コードをロッカーの読み取り装置にかざすと、扉が開いて商品を受け取れる。アマゾンは山陰両県を含め同様のロッカーを全国約4千カ所に設ける。 残業規制の強化で、トラック運転手不足などにより物流が滞る「2024年問題」。対策を講じなければ、25年には荷物総量のうち島根で30%、鳥取で29%が運べなくなるとの推計もあり、各社が受け取り拠点で物流効率化を図る。 イケア・ジャパンは、オンラインストアや店舗で購入した大型家具などを受け取れる「商品受取りセンター松江」を10月、山陰地方で初めて松江市東出雲町内に開設した。2024年問題に対応するため、全国でセンターの設置を進め、松江が48カ所目となった。
「商品受取りセンター松江」は、業務を委託した山陰物流サービス(松江市東出雲町錦浜)の敷地内に開設。大型家具が主な対象で、送料は商品の重さ300キロまでが一律3900円。入会金、年会費無料のメンバーシップクラブに入ると、5千円以上の購入で送料は無料。午前9時~午後7時まで受け取れる。 島根県内への大型家具の送料は従来、配送拠点がある神戸市からの場合、1万4千円程度かかっていた。イケア・ジャパンの担当者は「イケアがより身近な存在となり、商品をより手ごろな価格でお届けすることで、快適な暮らしを、より多くの方々に実現してもらいたい」とした。 コンビニのローソンは、松江市内20店舗で宅配サービスを展開。ウーバーイーツと提携し、高齢者などの買い物弱者対策と各店の売上高の伸長を目指す。