方針を押し付ける大人に “なんちゃって主体性” で応える子ども… 部活動から「スポーツハラスメント」をなくし真の主体性を引き出すには
「子どもたちってみんな優しいし、大人はこうしたら喜ぶって思うわけです。あと、 “こうしたら怒られない” 、とかね」 「(子どもでも)リップサービスが多いんだよ、そこになかなか大人が気付けなくて、 “なんちゃって主体性” になっている」 スポーツをしている学生たちの中には、すでに子どもたちの指導を担っている学生もいた。ディスカッションのさなかに、ハッとした様子だ。 ▽ダンスを教えている女子学生 「近々あるコンテストに向けて気合入れるぞ! と選抜メンバーを固めて、今までやっていなかった筋トレもやったりとか、自分の中で気合が入っているんです。今の話を聞いて、ちょっと危ないなと。自分の主観を入れすぎたらこれ危ないかも(と感じた)」 ▽島沢優子さん 「そこで問いかけてあげたらいいだろうね。 “コンテストがあるけど、みんなどんな気分?どういうことしたい? ” と。子どもたちがこうしたいと、そのためには何をするか考えようか、という感じで伴走すればそこは主体的じゃん」 社会におけるスポーツの課題を自分事として考えた学生たち。島沢さんは社会課題の改善には共感する力が必要だと語りかけた。 「何かを変革、改革するとき、変えていくときというのは、その課題に対して共感することが源泉だと思うんです。僕もそういう経験あったよ、嫌だったよ、だからこれは変えていかなければ、と」 「適切な情報が与えられていけば、共感が芽生えていく、ということは今日(のディスカッションで感じた)一つの希望だと思いました」 模索が続く県内の部活動改革。島沢さんは指導者たちに、部活動 “から” 変わっていくことの意義を訴えている。 「学校の中で運動部活動はすごく注目をされる。そこが変わっていけば、生徒や他の教員の方々への良い影響は必ずあると思うんです。トップランナーになるというような気概を持ち、一緒に走り始めていただければ嬉しい」 <取材MEMO> 島沢さんは県の部活動改革委員の一員として、新たなプロジェクトを立ち上げる。 「野球・バスケット・サッカー・バレーボール・ハンドボール・空手」の6競技の県内団体が協力し、ハラスメント問題について学びを深めるという。競技団体の垣根を越えてスポーツハラスメントの根絶をめざす取り組みは全国的にも初めてのケースとみられ、このプロジェクトにも注目が集まっている。(RBC NEWS Link 「スポーツのミライ」12月6日放送回・取材 下地麗子)
琉球放送