センバツ2023 準決勝 頂へ、突き進め報徳 21年ぶり決勝進出 /兵庫
第95回記念選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高野連主催)に出場している報徳学園は31日、準決勝で前回優勝の大阪桐蔭(大阪)と対戦。7―5で勝利し、21年ぶりとなる決勝進出を果たした。5点差から終盤の集中打で逆転に成功。「逆転の報徳」と呼ばれる粘り強さを見せた。1日午後0時半開始の決勝で、3回目の優勝を目指し、山梨学院(山梨)と対戦する。【大野航太郎、来住哲司】 「応援の力はこちらが上」。試合前、主将の堀柊那(3年)が語ったようにアルプススタンドからはこの日も大きな声援が送られた。これまでの激戦で野球部員たちの声は枯れていたが、3点を追う七回、無死二、三塁の好機を迎えると、名物の応援「アゲアゲホイホイ」を披露。マネジャーの篠田英幸さん(同)は「粘り強く戦って」とメガホンを高く振り上げて応援し、林純司(同)の二塁打などで同点に追いついた。 八回には、石野蓮授(同)の適時二塁打で勝ち越しに成功。スタンドで試合を見守ったOB会長の平塚正さん(79)はかつて夏の甲子園で、6点差から逆転勝利するきっかけとなった内野安打を放った。現役選手たちの逆転劇に「ドキドキしたが、よくやってくれた」と拍手を送った。 対戦校の投手を分析してチームを支え、記録員としてベンチに入った西田健太(3年)の母聡子さん(44)は「息子の陰の努力が報われたようでうれしい」と勝利を喜んだ。 ……………………………………………………………………………………………………… ■熱球 ◇過去イチの送球できた 堀柊那(3年) 同点に追いついた直後の八回の大阪桐蔭の攻撃。二塁への盗塁を狙った走者を刺して、試合の流れを引き寄せた。「今までで一番良い送球ができた」と手応えを語る。 高校に入学後、元社会人野球選手の浅田泰斗さん(30)と二人三脚で練習に取り組み、今大会注目の捕手に成長した。浅田さんも「最初は肩が強いだけだったが、今では投手と対話しながら試合を作ることができるようになった」とたたえる。 秋の近畿大会決勝で敗れた大阪桐蔭へのリベンジを誓い、冬の間は下半身を鍛え上げた。学校での練習後もスポーツクリニックに通って体幹を鍛え、動作を磨いた。「股関節の使い方が良くなり、打撃に生きた。決勝も全員でしっかり勝ちたい」と意気込む。【大野航太郎】 〔神戸版〕