【アメリカ大統領選】ハリス氏『機会がある経済を生み出したい』トランプ氏『なぜこれまでの3年半でやらなかった』...テレビ討論会でどんな舌戦が?
ハリス氏は合宿で『仮想トランプ氏』と猛特訓!?
討論会では心配点が両者にありました。まず、トランプ氏は攻撃するのが得意ですが、相手は女性でありマイノリティでもあります。前々回の大統領選を戦ったヒラリー・クリントン氏と状況は異なり、どう見えるかを考えなくてはいけません。さらに、バイデン氏が相手のときは高齢であることを攻撃の材料にできましたが、ハリス氏は自身よりかなり若いです。 一方で、ハリス氏の心配点は経験不足である点です。なんと、討論会に向けて合宿をしたそうで、側近にカツラなどを被せ、“仮想トランプ氏”を相手に討論の特訓をしたということです。
2人の『立ちふるまい』と『語った内容』
では、討論会ではどんなバトルが繰り広げられたのでしょうか。まず立ちふるまいについて、ハリス氏は序盤は緊張していた部分もありましたが落ち着いていて、トランプ氏を見て話していました。 一方のトランプ氏はハリス氏と目を合わせずに討論会を行っていた印象です。これについては『あなたのことは眼中にない』という作戦だという人もいれば、バイデン氏とハリス氏の2人をまとめて攻撃したいので、あえてハリス氏にターゲットを絞らずに2人をイメージさせるために見なかったという分析もあります。 トランプ氏は移民問題について「数百万人も我々の国に流入して犯罪率も上昇している。オハイオ州のスプリングフィールドでは移民が住人のペットを食べている」といった発言で攻撃をしました。一時流れた“デマ”をもとに話したのではないかと分析されています。 これ対してハリス氏は冷静に対応。さらに司会者も、“そういう事実はない”と否定しました。また、トランプ氏の「犯罪率が移民により上昇」という発言も司会者から訂正が入りました。
討論後の世論調査ではハリス氏に軍配が上がる
そして討論会の最後の言葉です。『アメリカ人の夢、希望、野望を理解したうえで機会がある経済を生み出そうとしています』と未来のことを語ったハリス氏。経済状況を良く思っていないアメリカ国民が多いため、それに対応しますという締め方でした。それに対してトランプ氏は『彼女はずばらしいことをこれからやると言うが、なぜこれまでの3年半でやってこなかったのか』と締めくくりました。 このテレビ討論会をアメリカ国民はどう見たのでしょうか。CNNが緊急世論調査したところ、「トランプ氏を支持」が37%、「ハリス氏を支持」が63%。ハリス氏が圧勝と言っていいかもしれません。さらに論争が終わった30分後には、2億8000万人のインスタフォロワーを抱える歌手のテイラー・スウィフトさんがハリス氏支持を表明しました。 また、早稲田大学の中林美恵子教授は次のような見解を語っています。 (中林美恵子教授)「(Qズバリ勝敗はどうだった?)トランプ氏は苦虫をつぶしたような顔をしてましたけど、ハリス氏にはときどき笑顔もありましたし、ハリス氏が勝ったと思います」
それぞれが大統領になった場合の日本への影響は?
両候補が大統領になった場合の日本への影響についても中林教授に聞きました。トランプ氏が大統領になった場合、国際秩序がガラっと変わる可能性があるといいます。日本が“自立”を考えるならある意味良い機会になるかもしれませんが、かなり抜本的なさまざまなことが変わっていくということです。 ハリス氏が大統領になった場合、今とそれほど変わらない可能性はより高いということです。 注目のアメリカ大統領選、投開票は現地時間の11月5日。その前に、副大統領候補のテレビ討論会も10月1日にあるので、そちらがどうなるかも注目ポイントです。 (2024年9月11日放送 MBSテレビ「よんチャンTV」より)