兵庫県立大学の元事務嘱託員が約600万円を着服 研究助成金を架空請求 兵庫・神戸市
兵庫県立大学の元事務職員の女性が、架空請求などの手口で国の研究助成金約600万円を着服していたことが分かりました。 大学によりますと、国の「科研費」と呼ばれる研究助成金をだまし取っていたのは、2018年から23年10月までの5年間、事務嘱託員を務めていた、58歳の女性です。元事務嘱託員は大学の教員の名前を使って、海外から来日する教員の旅費名目で架空請求をして現金を着服したり、実際には依頼していない外部委託費を架空請求して家族や知人の口座に振り込ませたりして、89件・604万2305円の科研費をだまし取っていました。退職後の去年11月、取引業者から「納品したのに支払いがない」と連絡があり、調査を進めたところ不正が発覚したということです。 元事務嘱託員は大学の調査に対し「迷惑をかけて申し訳ありません」と謝罪し、全額弁済の意志を示したということですが、いまだ200万円ほどしか返金されていません。大学は、科研費を国に返還する準備を進めるとともに、元事務嘱託員を警察に刑事告発する手続きを進めています。