北陸新幹線の敦賀以西区間 年内決定予定の京都駅周辺のルート絞り込みを断念 与党整備委員会
北陸放送
北陸新幹線の敦賀より西の延伸ルートをめぐって、与党の整備委員会は年内中に予定していた京都駅周辺を通るルートの絞り込みを断念しました。 【写真を見る】北陸新幹線の敦賀以西区間 年内決定予定の京都駅周辺のルート絞り込みを断念 与党整備委員会 一方で、地元の懸念や不安を払拭するために最善を尽くし、あくまでも「小浜ルート」で必要十分な予算確保を目指すことで一致しました。 北陸新幹線の敦賀から大阪までの未着工区間について、与党のプロジェクトチームは福井県小浜市や京都市を経由して新大阪駅に至る「小浜ルート」で決定をしていました。 しかし、小浜ルートの工事費が物価の高騰分を想定した場合、当初の2.5倍を超える最大5兆3000億円に膨れ上がり、工期も最長で28年に伸びるとの試算が示されました。 このため、石川県内の自治体などからは滋賀県の米原駅を経由する「米原ルート」を推す声が強まっています。 ■京都の新駅は「南北案」と「桂川案」に絞るも… こうした中、20日に開かれた与党の整備委員会では、「小浜ルート」を前提に3つの案が示されている京都の新駅について、絞り込みの議論が交わされました。 3つの案は、京都駅の東西を通る「東西案」、京都駅の南北を通る「南北案」、京都駅からおよそ5キロ離れた「桂川案」です。 このうち、地下水への影響が強く懸念された「東西案」は外すことになったものの、ルートを1つに絞り込むことはできませんでした。 ■与党整備委員会・西田委員長は「米原ルート」を改めて一蹴 一方、「米原ルート」については時間の短縮とはならず、運賃も高くなるなど社会的な利益が「小浜ルート」より小さいとして、再検討の必要はないとしました。 与党整備委員会・西田昌司委員長(自民党参院議員・京都府選出)「ベネフィット(便益)が認められないのにやると言うことはありえないし、8年前に調査した時とベネフィット(便益)も含めて事態が変わってないので、もう一度コースを再検討する必要はない」 いずれにしても議論が先延ばしされる形になったことで、2025年度に予定される延伸区間の着工はより不透明な状況に陥り、週明けに開かれる与党の整備新幹線建設推進プロジェクトチームでの議論の行方が注目されます。
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