巨人より深刻なヤクルトの泥沼10連敗
セ・パ交流戦のロッテ対ヤクルトが10日、ZOZOマリンで行われ、ヤクルトが1-4で敗れ、引き分けを挟んで10連敗を喫した。交流戦ワースト記録で、ヤクルトは今なお交流戦の1勝ができていない。1点を先行されたヤクルトは5回に西田の犠飛で同点に追いついたが、2番手の石山が踏ん張れず1-4でゲームを落とした。 この試合を解説した里崎智也氏は、「巨人のように投打の噛み合わせが悪いから勝てないとか、チームの調子が悪いから勝てないよね、というような状況にはない。ケガ人だらけで、レギュラーメンバーがいないのだから勝てない。開幕スタメンで残っているのは何人かを考えてみればよくわかる」と、同情的だ。 開幕スタメンのうち、この日、名を連ねたのは、山田、大引、坂口、雄平の4人だけ。バレンティンも畠山も川端も故障でいない。故障で開幕に出遅れ、6月に入って1軍昇格した新外国人のグリーンは、5回にライト線にヒットを放ったが、6回のチャンスにはボールの変化球を降らされてスイングアウト。まだ変化球に対応するには時間がかかる。鵜久森や大松は代打要員。彼らがスタメンに繰り上げるようでは層は薄すぎる。 連敗中に2点以上取った試合は1試合だけ。 また“トリプルスリー”山田も不振が続いている。交流戦での打率.140は74位。 「どうしても打線全体が不振の中で山田一人の負担がかかると厳しい。相手バッテリーからすれば、前後の調子が悪いと、歩かせればいいという考え方で対峙してくる。実際、この日も、5回二死二塁から山田は、ほぼ敬遠だった。なおさら山田が調子を取り戻すのは環境的に難しくなる」と、里崎氏、 打線全体とリンクしなければ、山田も復調の兆しはつかみにくい。足を高く上げてタイミングをとるスタイルの打者は好不調が激しいとされているだけに、なおさら調整が厄介になってくる。 打線が深刻だが、先発陣も小川や山中が故障でローテを外れているため、本来は、セットアッパーで使う予定だったドラフト2位のルーキーの星をローテーに入れたり、8日のソフトバンク戦でも名古屋経大の隠し球だったドラフト4位の中尾を先発抜擢するなど、苦し紛れの起用が続き、それが結果につながらない。 巨人と違って戦力補強にお金をかけることのできない球団だけに(ロッテも同じ環境だが)シーズン途中の補強にも限界があり、新外国人を獲得するならば、国内独立リーグや安価なマイナーリーガーから探してくるしかないが、ここまで主力が揃って故障リタイヤしてしまうのは想定外だったのだろう。ここ数年のドラフト戦略の停滞もモロに響いている。入団2年目の選手のオフの自己管理不足などの問題も起きているが、主力にケガ人が出たことが、そのままチーム成績に跳ね返ってしまうのは、現場だけの責任ではなく、フロントも含めた球団全体の問題だろう。 前述した里崎氏は、連敗ストップ、そして再浮上に必要な条件をこう考えている。 「主力が故障でいないということは、逆に今までチャンスのなかった選手にとっては大きなチャンス。ニューヒーローが、飛び出てくれることに賭けるしかないのかもしれない」 巨人が13連敗でヤクルトが10連敗。セ・リーグのチームは広島、阪神を除いて、すべて交流戦で負け越しているのは、ヤクルトにとって救いかもしれないが。