自民惨敗選挙のウラ事情 新人候補の応援に来た大物は“アイドル並み”人気→去った瞬間に聴衆解散
多彩ゲストでまるで“公認”の非公認候補も
記者C:“裏金議員”と言えば、東京24区から出馬した、自民党非公認の萩生田光一氏が何かと炎上した。終盤には2000万円の活動費問題も浮上して、燃えまくった。でも、自民関係者や有力者による応援のオンパレードだったな。 記者B:そうそう。非公認とは名ばかりで、街頭演説には自民党の高市早苗前経済安全保障担当相や茂木敏充前幹事長、コバホークこと小林鷹之元経済安全保障担当相らが相次いで参加した。岸田文雄前首相までもが応援に駆け付けて、実質的な“公認”と言った感じだったね。しかも、日本維新の会前代表で前大阪市長の松井一郎氏まで選挙カーの上でマイクを握って……。それでやっとの辛勝だ。 記者A:築き上げた人脈はすごいと思うけど、まさに自民“挙党体制”の応援だった。 記者B:ちなみに萩生田氏に当選を許したのは、野党がまとまりきれないのも大きな原因だった。立憲はジャーナリストの有田芳生氏を起用したけど、同じ選挙区の野党からは評判がイマイチだった。「対立候補として立てるんだったら、あの候補はないだろうと正直思ってる」と報道陣の前で話す候補者もいたよ。 記者C:同じ“裏金非公認”でも東京11区の下村博文氏は落選、厳しい審判が下された。下村氏の第一声は、集まった50人ほどの有権者の9割9分が高齢者。地元では一定の支持層を持つ典型的な自民古株議員の選挙という感じだった。ただ、政治とカネの問題を巡る釈明をしていたけれども、「批判だけで日本がよくなるんでしょうか」と野党に対する非難ばかり。 記者B:一方で、玉木雄一郎代表の国民民主党は獲得議席が4倍増で、勢力が急拡大した。度肝を抜かれたのは、26日夜の東京駅前での演説。東京都知事選への立候補で話題を集めた石丸伸二氏が、いきなり選挙カーに登壇した。自民党との関係や、有名人の候補者擁立など玉木代表の次なる一手に注目。 記者A:れいわ新選組も議席増。街頭演説は代表の山本太郎色が全開だった。ジャズバンドの演奏に合わせて、マシンガントークを繰り出すんだ。演奏の締めとマイクパフォーマンスは息ぴったりで、まるでショーのように感じたよ。来場者からその場で“質疑応答”を募集して山本代表がアドリブで答えるコーナーにも驚かされた。質問と秒数を絞って「30秒間で1問」、時間がなくなってくると「10秒で一問一答」に変更になった。オーバーするとゴング音が鳴ったり、ピンポン音のBGMを使っていたり、テレビ番組みたいだった。 最近の記者会見は特に不祥事会見で質問数の制限に批判の声があるけれど、国政政党の野党が時間を区切ってQ&Aを進行していることに、マスコミ業界人として新鮮な感覚になった。