ロシア、ウクライナ第2の都市周辺で新たな攻勢開始-ゼレンスキー氏
(ブルームバーグ): ウクライナのゼレンスキー大統領は、同国第2の都市ハルキウ周辺でロシアが新たな攻勢を開始したと明らかにした。ロシア軍はウクライナ北東部国境を突破しようと移動したという。
ゼレンスキー氏は10日、スロバキアのチャプトバ大統領とキーウで会談した際に、ハルキウ州でのロシアの攻撃を今のところ撃退できていると説明。ロシアはこの攻撃を支援するため予備の部隊をさらに投入してくる可能性があるとしつつ、ウクライナ軍はそれに反撃する用意ができていると続けた。
ウクライナによる燃料やガス、電力施設への攻撃を受けて、ロシアのプーチン大統領は国境沿いの地方を守るため緩衝地帯を設ける計画を2カ月ほど前に発表したばかりだった。
一方でロシアは、米国の軍事支援の多くが前線に届く前にウクライナの防御の弱点を突こうと、過去数週間に攻撃を強化。匿名で語った軍高官によると、ウクライナは6月から7月にかけて最初の米国製戦闘機F16を受け取る見込みだ。
ロシア国境から自動車で1時間もかからないハルキウは、激しさを増したロシア軍の攻撃の標的とされてきた。この攻撃について、市民を強制的に立ち退かせることが目的だと、ウクライナや西側の当局者は指摘する。
ロシア、ウクライナ第2の都市陥落狙う-市民強制立ち退きへ偽情報も
インタファクス・ウクライナ通信の報道によると、ゼレンスキー氏は「この方面でロシアは新たな反攻を開始した」と述べた。発言は大統領府の報道担当が確認した。
ロシア国防省は今のところ、この新たな攻勢について公にコメントしていない。ソーシャルメディアのテレグラムに約120万人の購読者を持つロシア寄りの軍事ブロガー、ライバー(Rybar)は、大規模な攻勢ではなく「戦闘偵察」であるとの見解を示した。
ハルキウ州のシネフボウ知事はテレグラムで、今回のロシアの攻撃により民間人が少なくとも1人死亡、数人が負傷したと報告。ウクライナ軍は陣地を守っており、ハルキウにロシア軍の差し迫った脅威はないと主張した。