竜ケ崎保健所 移転先決定 浸水想定区域外へ 機能強化目指す 茨城
浸水想定区域からの移転建て替えを計画する茨城県龍ケ崎市内の竜ケ崎保健所の移転先について、県は3日、同市松葉の市立松葉小(2027年3月閉校予定)の敷地内に決定したと発表した。これで区域からの移転建て替えを計画する古河、潮来を含めた3保健所全てで移転先が決まった。県は「円滑に整備を進め、十分に機能を発揮できるようにしたい」としている。 県保健政策課によると、いずれも築40~50年程度経過し、老朽化とともに手狭になっている県内5カ所の保健所庁舎について、21年度に建て替え方針を決定。新興感染症対策や大規模災害時の健康危機管理の司令塔としての機能強化を目指す。 このうち浸水想定区域内の3保健所は、区域外への移転を計画。15年に起きた常総市の大規模水害で、常総保健所(現在廃止)が浸水し拠点機能を発揮できなかったことを教訓とした。土浦、つくばの両保健所は現在地(敷地内駐車場)に建て替える。 移転先は立地する市内で、5000平方メートルの敷地を確保できる用地を前提に、各市と調整を図った。本年度に入り、古河市の古河保健所が古河産業技術専門学院跡地(同市諸川)に、潮来市の潮来保健所が津知小(同市辻、26年3月閉校)敷地内に決定。それぞれ28年4月の供用開始を予定する。 最後に決定した竜ケ崎保健所の移転先の松葉小は、現庁舎の北西約4.5キロに位置。閉校後の校庭の一部を活用する。26年度までに実施設計を終え、27年度から工事に着手し、29年4月の供用開始を予定する。 3保健所の移転先用地はそれぞれ市有地で、県が有償で購入の見通し。 同課は「スケジュール通りに整備を進め、いざという時にも県民の命、健康を守る拠点として十分に機能を発揮できるようにしたい」と話している。
茨城新聞社