SKE48井上瑠夏さん「なりたい自分にはきっとなれる」被災しても諦めなかった夢 ふるさとへの思いは
「娘の夢を叶えてあげたい」母の応援
ここから人生をかけてアイドルをめざします。週1回熊本から東京に通ってダンスのレッスンを受けました。 時間も費用もかかりますが、両親が全力で応援してくれました。 「お母さん自身がかつてアイドルになりたい気持ちがあったみたいで、娘の夢を絶対に叶えてあげたいと思ったようです。何より、ドラフト会議での娘の姿を見ていたからこそ、『やりたいことは全部やりなさい』といった感じで背中を押してくれました」 ただ、残念ながら中2の冬にあったHKT48の4期生オーディションも合格しませんでした。 中3になったばかりの4月14日、熊本地震が発生。28時間のうちに最大震度7が2回発生し、熊本県のまとめでは252人が犠牲となる大災害でした。 井上さんの自宅がある菊池市も最大震度6強を観測し、自宅にいた井上さんは家族と近くの避難先のグラウンドで一夜を明かすなど、不自由な生活を強いられました。 それでもアイドルになる夢は諦めず、高校受験を翌春に控えた同年秋、ちょうど募集があったSKE48の8期生オーディションに応募します。 「進路を決めないといけない時期で、アイドルは最後の挑戦のつもりでした」 2016年10月29日、最終オーディション。その日のうちに合格が発表されました。 今年もこの日、井上さんはXにこう感謝の言葉をポストしました。<8年前の今日、私の人生が変わりました。(中略)みつけてくれて本当にありがとう> 合格後、すぐに名古屋に引っ越し、厳しいレッスンが始まりました。クラスメイトにもお別れをいえないままに引っ越すほどのあわただしさ。次に母校を訪れたのは卒業式でした。 合格の約3週間後には、8期生として「お披露目」、12月には劇場公演のバックダンサーとしてステージに立ち、「あまりに大変で、当時の記憶がない。体力的にもきつくて、よく乗り越えられたと、今振り返っても思います」。 最初は父親や祖父が名古屋についてきてくれました。高校入学と同時に、母親が同居するように。「最初はめっちゃ泣いちゃって。一番の反抗期でした。今は少し反省していて、これから少しでも恩返しをしていきたいと思っています」