ノーベル平和賞に決定「日本被団協」とは 核兵器廃絶など目的に活動
日テレNEWS NNN
今年のノーベル平和賞に日本被団協=「日本原水爆被害者団体協議会」が選ばれました。 日本被団協は、広島・長崎への原爆投下による被爆者の組織です。47都道府県のそれぞれにある被爆者の団体の協議会で、唯一の全国組織だということです。原爆の投下から11年が経過した1956年に結成されました。 日本被団協は68年間にわたり、被爆者が自らの体験をもとに「ノーモア・ヒバクシャ」と訴え続けています。被爆者の立場から、核兵器廃絶を世界に訴える活動や被爆者への国家補償を掲げ、日本政府や国連、世界各国への要請行動や被爆の実相の国内外への普及活動などを行っているということです。 粘り強く精力的に活動を続けたことで、過去にも国際的に高い評価を受けました。原爆投下から60年となる2005年には、ノーベル平和賞に候補としてあげられました。受賞は逃したものの、同じ年の12月にオスロで開かれた授賞式では、ノーベル委員会の委員長が日本被団協について「長年、核廃絶に取り組んできた」などと称賛する異例の演説をしました。 団体のホームページでは、「NIHON HIDANKYO」が日本語のまま世界に通用する名称となったと書かれています。
今回のノーベル賞に選ばれた理由について、ノーベル委員会は「被爆者として知られる広島・長崎の原爆の生存者による草の根運動であり、核兵器のない世界を実現するための努力と、核兵器が二度と使われてはならないことを目撃証言を通じて示した功績が評価され、平和賞を受賞することになった」と説明しています。 取材に応じた日本被団協の代表は、「世界で1つしかない賞が日本被団協になるなんて夢にも思わなかった」「核兵器は絶対になくしてほしい」と改めて訴えました。 ◇ 今回の受賞決定を受け、「news every.」の鈴江奈々キャスターは次のように話しました。 鈴江奈々キャスター 「先日、被爆者の阿部静子さん(97)に話を聞きました。阿部さんは18歳の時に被爆しました。『その傷は一生癒えない。今も痛みを抱えている』と話していました。その阿部さんは『原爆は二度と使ってはならない』と話していました。改めてノーベル平和賞の受賞決定をきっかけに被爆者の声に耳を傾けたいと思います」