コロンビア墜落 「凱旋」の可能性もあった元Jリーグ組
コロンビアで28日夜に発生したチャーター機の墜落事故では、ブラジルのサッカークラブの選手や監督、ジャーナリストら71人が死亡し、サッカー界は突然の大きな悲しみに包まれた。事故の犠牲となったのはブラジル南部の小さな町を拠点とするシャペコエンセというクラブの選手や関係者らで、「おとぎ話」として話題を集めていた地方の小クラブの躍進は悲劇的な結末を迎えてしまった。
元千葉のケンペスや元神戸のカイオ監督ら搭乗
悲劇は現地時間で28日夜に発生した。ブラジルからボリビア経由でコロンビア第二の都市メデジンに向かっていたチャーター機が、メデジン近郊で突如消息を絶ったのだ。午後10時15分ごろ、チャーター機はメデジン近郊の山岳部に墜落。墜落直前にパイロットが地上管制官と行った交信では、飛行中のチャーター機の電気系統に問題が発生したとの報告があったと複数のメディアは報じている。墜落したチャーター機の機体はひどく破壊された状態で、機体は両翼のない形で発見された。墜落当時、周辺は大雨と霧の影響で視界が非常に悪く、約30人の救助チームは陸路で墜落現場に行くしか手段がなかったのだという。 チャーター機には南米のサッカークラブ対抗トーナメント「コパ・スダメリカーナ」の決勝に進出したブラジルのシャペコエンセの選手やチームスタッフ、ジャーナリストら77人が搭乗しており、現在までに6人の生存が確認されている。シャペコエンセにはかつてヴィッセル神戸で監督を務めたカイオ・ジュニオール氏や、セレッソ大阪やJ2のジェフ千葉で活躍し、2013年に22ゴールを挙げてJ2得点王に輝いたケンペス、2005年に柏レイソルでプレーしたクレーベルら、Jリーグと関係がある選手らも少なくない。 2010年に京都サンガでプレーしたチエゴや、昨シーズン川崎フロンターレでプレーしたアトゥール・マイアの死亡も確認されており、各クラブは相次いで追悼のコメントを出している。コパ・スダメリカーナの優勝クラブは翌年のコパ・リベルタドーレス(欧州チャンピオンズリーグのような各国リーグの上位チームが出場できる大会)への出場権に加えて、毎年日本で夏に行われるスルガ銀行チャンピオンシップにも出場するため、亡くなった彼らが日本に「凱旋」する可能性もあったのだ。事故を受けて、日本でもかつて所属したクラブを中心に半旗や黙祷が捧げられた。 墜落したチャーター機は英ブリティッシュ・エアロスペース社製のBAe146で、1983年から運用が開始されたこの小型旅客機は、1991年と2006年にもチリとノルウェーで死亡事故を起こしている。