『リトル・ワンダーズ』ウェストン・ラズーリ監督 究極のキッズ・アドベンチャーを作りたい【Director’s Interview Vol.447】
映画とゲームとアニメが大好き! そんな思いが画面からダダ漏れしている『リトル・ワンダーズ』は、キッズ・アドベンチャー映画の新たな1ページを刻んでくれた。日本のサブカルチャーへの愛も感じさせる本作、ウェストン・ラズーリ監督はいかにして『リトル・ワンダーズ』を作り上げたのか。来日して嬉しそうなウェストン監督に話を伺った。 『リトル・ワンダーズ』あらすじ 悪ガキ3人組“不死身のワニ団”、アリス(フィービー・フェロ)、ヘイゼル(チャーリー・ストーバー)、ジョディ(スカイラー・ピーターズ)は大の仲良し。ある日、ゲームで遊ぶ代わりとして、ママの大好きなブルーベリーパイを手に入れに行くが、必要な卵を謎の男(チャールズ・ハルフォード)に横取りされる。奪い返すために男を追いかけた3人は、魔女(リオ・ティプトン)率いる謎の集団“魔法の剣一味”に遭遇し、怪しい企みに巻き込まれてしまう。森で出会った、魔女の娘ペタル(ローレライ・モート)を仲間に、悪い大人に立ち向かう4人…果たしてこどもたちの運命は?無事にパイを手に入れ、ゲームをプレイできるのか!?
究極のキッズ・アドベンチャーを作りたい
Q:現代を舞台にしたキッズムービーですが、ファンタジーのようでもありSFのようにも感じました。着想のきっかけを教えてください。 ラズーリ:目標は究極のキッズ・アドベンチャーを作ることでした。自分も含めて子供たちみんなが望むアイテムが詰め込まれていて、ダートバイクやペイントボール銃、美味しい食べ物、そして自由と、好きなものに溢れた映画を作りたかった。現代を舞台にしつつも、タイムレスなフィーリングがあるものにしたかったんです。 Q:長編デビュー作はキッズムービーにしようと決めていたのですか。 ラズーリ:もともと全然違う物語を考えていましたが、製作費を考えると全くハマらなかった。脚本をリライトしましたが、それでもまだ規模が大きい。さらにそこから変わっていき今の形に落ち着きました。自分がやりたかったのは、あくまでもファンタジー・アドベンチャー。それを製作費が少ない中でどう実現すれば良いか。だったら舞台を現代にして、最近流行りのネオ・ウエスタンのようなアプローチにすれば何とかなるのではないか。製作費は少ないですが、壮大なファンタジー・アドベンチャーを作る気持ちで挑みました。 Q:『グーニーズ』(85)や『バンデットQ』(81)を思い出すという感想もありますが、監督自身その辺は影響を受けているのでしょうか。 ラズーリ:正直に言うと、『グーニーズ』も『バンデットQ』もそれほどは想定していませんでした。ただ、ファンタジーで、キッズがいて、風変わりなテイストが組み合わさると、同じように見られるのも確かに分かります。ノスタルジックな部分もありますしね。
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