少数派でも恐れるな! 常に2つの意見を持つ「最強」の生き方【里崎智也×五十嵐亮太のライフハックベースボール!】第20回
■視点を変えれば、常に2つの「答え」を持つことができる 五十嵐 えっ、それはどうしてですか? 里崎 ある事柄について、心情的にはA寄りかもしれないけど、Bもまた自分の意見だと思っているから。僕の場合は常にいつも答えを2つ持つように意識していて、それを習慣化しているからね。 五十嵐 そもそも、AとBという異なる考え方なのに、答えを2つ持つなんて可能なんですか? 矛盾してないですか? 里崎 例えば野球の場合で言うと、ひとつのプレーに対して、「打った側」と「打たれた側」と2つの視点があるわけでしょ? そのどちらを主語にして話すか。この点を意識すれば、自然と2つの答えを持つことができるようになると思わない? 五十嵐 確かに、野球に限らず勝負事には「勝者」がいれば、必ず「敗者」がいますね。みんなが勝者に注目しているときには、あえてあまり注目されていない敗者にスポットを当てるということですか? 里崎 単純に言えば、そういうこと。バッターが劇的なホームランを打ってみんなが褒めているのなら、僕はあえて打たれたピッチャーの視点に立って、「なぜ打たれたのか?」を語る。そこに至るまでの伏線や要因を見つけ、どうしてバッテリーはその配球を選択したのかを話す。 五十嵐 なるほど。もちろん、ホームランを打った側の視点に立って、「どんな狙いでボールを待っていたのか?」「どんな技術で、このボールをホームランにしたのか?」という「打者視点」で語ることもできる。その一方で、真逆の「投手視点」に立てば、他人とは違った解説も可能になりますね。 里崎 最初の話に戻るけど、「打者視点」も「投手視点」も、どっちも僕自身の考え。亮太が心配していたようにウソをついているわけでもないし、受け狙いのために、無理して本心とは別のことを口にしているわけでもないでしょ。 五十嵐 なるほどなぁ。そうやって、常に少数派、少数派の視点で物事を見たり、言ったりすれば、それはその人ならではの独自性、個性に繋がってきますよね。 里崎 そう。そうすれば、以前この連載で言ったように、一方の意見の陰に隠れた賛同者の"隠れ賛"が現れて、「里崎はよくわかっている」「実はオレもそう思っていたんだよ」と熱烈に応援してくれたり、評価してくれたりするようになるからね。