娘が大学で「ITパスポート試験」を受験するようなのですが、就職で有利になることはあるのでしょうか? 「ITパスポート」が必須の職業の初任給を教えてください。
ITパスポートという資格がどのようなものかご存じでしょうか。近年では、ITに関わる事業をしている会社以外でも、社員への取得支援が広がっています。 本記事では、ITパスポートの概要や取得を推奨している企業の一例を解説します。 ▼会社員で「年収1000万円」以上の割合は? 大企業ほど高年収を目指せる?
ITパスポートとは
ITパスポートは、ITに関する基礎的知識を証明するため、2009年につくられた経済産業省認定の国家試験です。 具体的には、AIやIoTなどの新技術や新しい手法をはじめ、経営全般、IT、プロジェクトマネジメントなど幅広い分野の総合的な知識が必要となる資格です。 なお、ITパスポートは現在多くの社会人や学生に認知・取得されており、試験の内容は、多くの職業で活用できる最低限のIT知識が身につくものになっています。
受験者は年々増加している
近年ではさまざまな業界や業種において、ITの知識が必要不可欠になっています。そのため、IT教育に力を入れている企業も増加傾向にあり、ITパスポート取得者の約8割は社会人です。 社会に必要とされるIT知識を持った人材を育てる取り組みとして、近年では授業でITパスポートのシラバスにのっとった授業を実施する大学も多く、ITパスポート試験のホームページによると、2009年には11万8701人だった受験者が2023年には203万9561人にまで増加しています。
試験の概要
ITパスポートの受験は、全国各地の会場で随時実施されています。試験時間は120分で、受験費用は7500円です。 なお、受験時には受験票のほかに運転免許証やパスポート、マイナンバーカードなどの本人確認書類が必ず必要になるため、忘れずに持参しましょう。
ITパスポートが役立つ仕事
ITパスポートで身につけた知識が活用できる職種の一例には、以下のものがあります。 ■事務職 一見ITと関連がなさそうですが、事務職では多くのIT知識が役立つと考えられます。例えば、オフィスツールを用いた書類作成やメールのやり取り、社内システムでの情報管理などにはIT知識が必要です。また、コンプライアンスやセキュリティの知識も身につくため、正しい情報の扱い方が身につくでしょう。 ■テクニカルサポート テクニカルサポートとは、IT関連の機器やソフトウエアに関するお問い合わせに対応する仕事です。IT知識を要する問い合わせが日々多く寄せられるため、ITパスポート取得で学んだ知識やスキルが活かせる可能性があります。 ■ITに関連した事業の営業 IT企業ではITに関する商材を扱うため、技術職のみならず、営業職であってもITに関する一定レベルの知識が必要です。自社の商材を理解し、顧客へ提案するために必要なIT知識を深めるためにもITパスポートは役立つ可能性があります。