プレミア12。日本は小久保監督の采配ミスで韓国に負けたのか。
世界野球「プレミア12」の準決勝で日本は、韓国に土壇場の9回に3点差をひっくり返され敗退、東京ドームに用意されていた決勝へ進むことができなかった。 「継投ミス」と、小久保監督が認めた魔の9回。なぜ日本は敗れたのか。そこにはベンチワークのミスや、国際大会の経験不足、人選ミスなど今大会を通じて日本が抱えていた問題が詰まっていた。 そもそも7回まで1安打11奪三振の圧巻のピッチングで韓国打線を黙らせていた日ハム、大谷を交代させる必要はあったのか。球数もわずか85球だった。 WBC、北京五輪など国際試合経験の豊かな元千葉ロッテの里崎智也氏は、「球数を考えると続投させない理由はなかった。もしつかまれば、中継ぎ経験のある牧田を挟み、9回の頭から則本という手もあった。しかし、それよりも問題は今大会を通じて守護神が誰だったのかが、決まっていなかったこと」と、問題点を指摘する。 小久保監督は、「8、9回を則本で行くことを決めていた」という。今大会で中継ぎ起用されて素晴らしい結果を残していた楽天の則本の調子と適性を見極めて、2イニング起用を決断したもの。だが、裏を返せば、楽天の松井裕、横浜DeNAの山崎、日ハムの増井、巨人の澤村と4人も各チームの守護神を呼んだが、誰一人として日本代表チームの守護神と認められなかったということ。小久保監督の起用経緯を見ると、本音は松井裕を守護神にしたかったようだが、2年目の若き左腕は信頼を勝ち取れなかった。 8回をピシャリと抑えた則本は9回も続投したが、韓国は左の代打攻勢を仕掛けてきた。 先頭は、オ・ジェウォン。チェンジアップをレフト前に運ばれた。里崎氏は、嶋の配球も疑問だったという。「そこまでストレートを2球空振りしていました。ストレートに対して明らかにタイミングがあっていませんでした。国際試合では、そういうボールはとことんいくのが鉄則。チェンジアップの選択は疑問でした」。続く代打、ソン・アソプにもチェンジアップをセンター前へ打たれ、1番に打順が戻って、チョン・グンウに三塁線を破るタイムリーツーベースを浴びるが、このボールもフォークだった。 2点差となって、なお無死二、三塁のピンチで、イ・ヨンギュの内角をえぐった4球目のストレートは、肘に当たったと判定され死球となった。当たったのか、当たっていないか。しかも、ストライクゾーンに向かうボールだっただけに微妙な判定だったが、里崎氏は、ここにバッテリーの国際試合における細心の注意が不足していた、と指摘する。 「韓国のバッターは、国際試合において、ああいう場面では平気でぶつかってきます。ギリギリの内角球は、死球を拾われるので絶対にタブーなんです。行くなら、低めか、大谷がやっていたような高めの甘いボールを振らせるのが鉄則。嶋は、国際試合経験がなくわからなかったのであれば、コーチが『内角は行くな』と注意させておくべきことでした」