プレミア12。日本は小久保監督の采配ミスで韓国に負けたのか。
小久保監督は、試合後、則本が3連打を浴び、左のイ・ヨンギュを迎えた場面で松井にスイッチしておくべきだったと、継投の一手遅れを悔やんだ。結果、満塁でマウンドに向かった松井は、ここまで3打席連続三振だった3番打者にフルカウントから押し出し四球を与えた。1点差となって、今度は増井をマウンドに送ったが、イ・デホに、カウント2-2からフォークの配球を読まれてレフト線に逆転の2点タイムリーを許した。 「とことん則本を続投させて“心中”で良かったのではないでしょうか。松井、増井は、細かい制球力はなく、どちらかと言えば、球威、キレに頼って“えいやあ!”でいくタイプのストッパーです。そういうピッチャーをイニング途中で、しかも満塁の場面で使うのは酷でした。ストッパーをしてきたピッチャーは、どこでどう投げるかを伝えられた上で気持ちの整理も含めて準備をします。今大会では、守護神、中継ぎの役割分担をきっちりとしていなかったため、選手も、いつ、どこで行くかを把握できずに戸惑ったのではないでしょうか。今後は、選手選考において、イニング途中の起用でも、対応のできる中継ぎのスペシャリストを入れておくべきですし、選手の適正を把握して役割をきっちりと決めておくことでしょう」と里崎氏。 監督経験のないまま、侍ジャパンの監督に就任した小久保監督は、その経験不足を準決勝という大舞台で采配ミスという形で露呈してしまった。調子と適性を見極めながら、最強の中継ぎに則本を抜擢したところまでは良かったが、里崎氏が指摘するように大会を通じて、勝利の方程式、守護神を決めきれなかったチームマネジメントのミスが、最後にツケとなって出た。すべては結果論かもしれないが、結果論で評価されるのが勝負の世界の宿命でもある。 (文責・本郷陽一/論スポ、スポーツタイムズ通信社)