煎餅、のど飴、グミ、本……カナダを転戦したカーリング女子代表が「欲しがったもの」と「心境の変化」
10月下旬、ロコ・ソラーレに連絡した。 彼女たちは今季の開幕戦を8月に開催された地元・北見市常呂町の「アドヴィックスカップ」に選び、そこで優勝すると、9月上旬にカナダ遠征に出発。6都市を転戦し11月に一時帰国するスケジュールを組んでいる。 【写真はこちら】かっ、かわいい…!行きつけのお寿司屋さんで豪快な吞みっぷりを披露する藤澤五月…! その6つのうちのひとつが、10月29日から11月4日までケロウナで行われたパンコンチネンタル選手権(以下PCCC)だ。彼女たちは日本代表として出場することになる。そこで取材させてもらえることになった。その時点で日本を発って2ヵ月ほどだ。多くの海外在住者や長期渡航者がそうであるように、日本の味や娯楽に飢えているかもしれないので、何か差し入れしたいという気持ちがあった。 5選手の返事は様々だった。 即答したのは吉田知那美だった。 「煎餅! 普通にコンビニやスーパーで売っている醤油味のオーソドックスなものがいいです」 続いたのは藤澤五月だ。 「のど飴が欲しいです。あと荷物に余裕があればでいいので、貼るタイプのカイロがあると助かります」 カーリングホールは当然ながら冷える。スイープをしない藤澤は特に寒さを感じるようだ。軽くて薄いほうがいいだろうから、エステーの「はるオンパックス Airy」を持参すると、首元、背中、腰、腹部にそれぞれ貼り付けてゲームに挑んでいた。 少し考えます、と時間を置いて連絡をくれたのが鈴木夕湖だった。彼女はピクミンにハマっているらしく、ボールチェーン付きマスコットの「ピクミン マスコット&フルーツグミ」を指定してきた。しかし、人気商品で再販してもまだ品薄らしく、それを理解した上で「なかったら『俺のミルク』という飴がいいです」とノーベル製菓の鉄板商品を指定する二段構えだ。 なんでもカナダにはグミやチョコレートは豊富でも、キャンディーは日本のような堅いタイプではなく、キャラメルに近いスティッキーなものが主流のようだ。このPCCC直前の大会では腰痛で大事をとって欠場したけれど、ほぼ回復したと記者としてはありがたいネタも提供してくれた。 鈴木より、もう少し長く時間をかけて「本が読みたいです。ワガママを言えるなら持ち運びしやすい文庫が嬉しいです」とは吉田夕梨花だ。 チョイスはお任せという丸投げだったので実はかなり悩んだが不朽の名作『キッチン』(角川文庫/吉本ばなな)と、もっとも旬な女性作家のひとり辻村深月の『傲慢と善良』(朝日文庫)を選んだ。以前も彼女には文庫を差し入れたことがあるが、いつも律儀にお礼と感想を伝えてくれた。今回はどうだっただろうか。 石崎琴美は「PCCCまでに思いついたらお願いするかもしれません」とのことだったが、特に追っての連絡がなかった。彼女の性格上、遠慮しているかもしれないので、好物の甘味をトレーナー陣のぶんと共に用意した。