韓国で再び反日の機運、クリスマスイブに予定されていた『すずめの戸締り』のTV放送が「売国奴」批判で突如中止に
日本のアニメ映画『すずめの戸締まり』に“尹錫悦大統領弾劾”の火の粉が降りかかった。韓国の公営放送のKBS2でクリスマス特別映画として放送予定だった『すずめの戸締まり』が、ネットユーザーたちから「売国奴の放送」という激しい非難を受け、電撃的に放送取り消しとなったのだ。 【写真】「へのへのもへじ」に由来しているとして批判が殺到。問題となった韓国「KBS Entertain」のチャンネルロゴ。読者にはどう見えるだろうか? 韓国では近い将来、進歩政権が発足する可能性が高まっている。そうれば、韓国社会には再び「ノージャパン」の狂風が吹き荒れるだろう。『すずめの戸締り』の放送中止は、そんな未来を示唆するようなエピソードと言えよう。 ■ 韓国でも大ヒットした『すずめの戸締り』のテレビ放送に突如として猛批判 『すずめの戸締まり』は韓国では2023年3月に公開され、557万人の観客を動員し、歴代日本アニメ映画の中で最多観客動員の記録を打ち立てた。『君の名は。』『天気の子』などで韓国でも多くのファンを持つ新海誠監督の最新作だが、公開当時はちょうど韓国の劇場街では『ザ・ファースト・スラムダンク』が世代を超えた大ヒットを記録していた時期だったこともあり、『すずめの戸締り』も韓国の若者の間で起きている日本文化ブームを象徴する作品のひとつに数えられていた。 ところが韓国社会の風向きは、この数週間で急変してしまったようだ。この人気アニメを、公営放送のKBS2が「24日夜のクリスマス特別映画」として放送すると告知したところ、ネットを中心に大きな非難が巻き起こったのだ。 「この時期に国民の顔色をうかがわず、依然として内鮮一体なのか!」 「売国放送局らしい。名前をJBS(日本公営放送)に変えろ」 「なんだかKBSエンターテインのYouTubeロゴも日本の匂いがしていたぜ」 「もう日本なら嫌悪感しかない」 「さすが売国野郎の政府に食われた放送局らしい」
非難の中には、「背景が夏なのでクリスマスに合わない」「未成年が酒場でバイトをする場面が出てくるなど公営放送で放送するには望ましくない」という論理的な批判もあったが、大部分は反日感情に振り回されるコメントばかりだった。 激しい非難に直面したKBSは急遽、『すずめの戸締まり』の放送を取り消し、韓国のラブコメディ映画の『30日』を緊急編成して放送した。 ■ 8月15日に『蝶々夫人』 尹錫悦政権になってからKBSはやたらと「親日放送」という非難に直面した。今年の8月15日の光復節には、日本の「君が代」を放送したことで国民的な批判にさらされた。舞台公演を録画して放送する「KBS中継席」は6月末に韓国の『芸術の殿堂』で上演されたプッチーニのオペラ作品『蝶々夫人』を録画して放送したのだが、日本が舞台となっているこの作品の放送時間がよりによって8月15日午前0時だったことが問題になった。 世界的なオペラ作品だが、韓国人にとっては公演そのものより、作品の中で着物や「君が代」が頻繁に登場することが我慢ならなかった。韓国のほぼすべてのメディアが「光復節に『君が代』だなんて正気か!」とKBSを非難した。あるネットのエンタメサイトは「私が払った受信料が親日売国になって戻ってきた」という刺激的な記事を載せた。 この件について、KBS側は「当初7月末に放送予定だったが、オリンピック中継のために後回しにされ光復節の明け方に放送された」として「変わった日程を考慮して放送内容に問題がないか時宜性が適切かを確認・検討できなかった製作陣の不手際」と何度も謝ったが、結局放送審議議員会から重懲戒を受けるはめになった。