口座にお金を入れ忘れて、クレジットカードの返済を1日だけ「滞納」してしまいました。これから住宅ローンを組む予定なのですが、審査に影響はありますか?
Aさんは給与振込口座とは別の口座を、クレジットカード(クレカ)の引き落とし用として使っています。うっかりお金を入れ忘れてクレカの引き落としができず、1日だけ滞納してしまったそうです。 Aさんはマイホーム購入を検討していて、これから住宅ローンを組むことになるのですが、審査に悪影響があるのではと心配だとのこと。短期間であってもクレカの滞納は審査に不利に働くのか、確認してみましょう。 ▼住宅ローンは「繰上げ返済」すべき? メリットについて解説
「1日だけの滞納」ならほぼ悪影響なし
結論からいうと、「1日だけの滞納」ならば、住宅ローン審査への悪影響はないと考えて良いでしょう。 ただし、1日だけであっても、記録には残り、その記録は5年間保管されるということは覚えておきましょう。
61日以上の延滞ならばブラックリストに載る
支払いの遅延は1日であっても記録されます。ただし、61日未満までならば「Aマーク」、すなわち「約束の日に入金がなかった」として記録されるにとどまり、61日以上ならば「異動」として信用情報に記録され、より深刻な状況となります(信用情報機関によって違いはあります)。
心配ならば個人情報開示請求
いざ住宅ローンを組むとなれば、自分の信用情報がどうなっているか確認したくなるでしょう。その場合は開示請求できます。 信用情報機関は、金融商品の取引状況や返済履歴などの個人情報を登録・管理している機関で3つあります。開示請求には、手数料のほかに身分証明書が必要です。 概要について以下にまとめました。
金融機関によっては、2機関に加入している場合もありますので、どの機関に照会すればよいか確認してから申し込みしてください。
住宅ローン審査の目的は「きちんと返済してくれるだろうか」の見極め
Aさんは結局、住宅ローン審査を無事通過できるかどうかということを心配されているので、併せて「住宅ローン審査」ではどういう点が重点的なチェックポイントなのかを確認しましょう。 国土交通省の「令和5年度 民間住宅ローンの実態に関する調査 結果報告書」によると、融資を行う際に考慮する項目として、「完済時年齢」(98.5%)、「健康状態(96.6%)、「借入時年齢」(96.0%)、「年収」(94%)、勤続年数」(93.6%)、「返済負担率」(92.0%)、「担保評価」(91.8%)等が挙げられており、カードローン等の他の債権の状況や返済履歴は65.7%と、審査優先項目としてはやや低くなっています。 この結果から読み取れることは、「貸し出した資金をきちんと返済してもらえるか」ということを基準に審査していることになります。その判断材料の1つとしてカードローン等の返済履歴などを参考にしていることから、1日の延滞でローン審査の通過が左右されるとは考えにくいものの、「信用できるのかどうか」の判断に使われていることは間違いありません。 今後は十分に注意して、「ついうっかり」という理由であったとしても「延滞」という記録は決して作らないことを肝に銘じる必要がありそうです。 出典 一般社団法人全国銀行協会 全国銀行個人信用情報センター 株式会社日本信用情報機構 ホームページ 割賦販売法・貸金業法指定信用情報機関 ホームページ 国土交通省「令和5年度 民間住宅ローンの実態に関する調査 結果報告書」22頁 執筆者:柴沼直美 CFP(R)認定者
ファイナンシャルフィールド編集部