【お金のプロが解説】50歳代・二人以上世帯「負債と貯蓄」の現状、理想と現実のギャップを紐解く
【年金】60歳代「国民年金・厚生年金」平均受給月額を一覧表でチェック
毎年改定される年金額。厚生労働省より公表された、2024年度最新の年金額モデルは以下のとおりです。 ●2024年度:年金額モデル(国民年金・厚生年金)月額 ・国民年金(満額):6万8000円(+1750円) ・厚生年金※:23万483円(+6001円) 上記の厚生年金はモデル夫婦分となっており、1人分に換算すると16万2483円です。 厚生労働省「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとに作成した年齢別「年金受給額一覧表」から、60歳代が2022年度末時点で実際に受給している年金の平均額を確認していきましょう。 ●60歳代:厚生年金の受給額一覧 ・60歳:9万4853円 ・61歳:9万1675円 ・62歳:6万1942円 ・63歳:6万4514円 ・64歳:7万9536円 ・65歳:14万3504円 ・66歳:14万6891円 ・67歳:14万5757円 ・68歳:14万3898円 ・69歳:14万1881円 ※国民年金を含む ●60歳代:国民年金の受給額一覧 ・60歳:4万2616円 ・61歳:4万1420円 ・62歳:4万3513円 ・63歳:4万3711円 ・64歳:4万4352円 ・65歳:5万8070円 ・66歳:5万8012円 ・67歳:5万7924円 ・68歳:5万7722円 ・69歳:5万7515円 60歳代の厚生年金の平均受給額が、月額14~16万円台。国民年金では、65歳以降でみると平均で月5万円台でした。 とくに厚生年金は、現役時代の働き方や加入期間による個人差が大きいとされているもの。詳しくは「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」で確認してみてください。
現役FPが提案!シニアの入口といえる「50歳代の過ごし方」のポイント
今回データを確認したところ、50歳代でも負債が残っている家庭や貯蓄が全くない家庭もあると見受けられます。 貯蓄できている世帯がある一方で、経済的に不安定だったり、将来の生活への不安を抱えたりする家庭も一定数存在していると捉えられるでしょう。 これから仕事を退職し、老後を迎えてから焦って老後の準備をしても遅いかもしれません。 そのため老後を迎える前の50歳代の過ごし方は大切になってくるといえるでしょう。 シニア生活を迎えるにあたり、考えていきたいポイントをまとめてみました。 ●現段階での「収入と支出」の把握を お金を考える上で、収入と支出を考えるのは必須事項。 日々の生活で何にお金を使っているのか、無駄遣いはないかという確認は大切な作業といえるでしょう。 変動費だけでなく、固定費も見直すことで貯金できる体制を作れるかもしれません。 ●老後の計画を早めに立てて 冒頭でも触れたように、50歳代に突入して生活状況が変わってくる方が多いようです。 今後の状況がどうなるか未定の部分も多いため、先の計画を立てるのも難しいかもしれません。 しかし、50歳代であればある程度ゴールを見据えた計画を立てることができるのではないでしょうか。 自身の老後をしっかりと見据えて、行動に移せるようにする準備や計画は必要不可欠です。 ●貯蓄・年金以外に収入を得る選択肢も用意して 定年を後ろ倒しにしたり再就職をしたりなど、老後開始のタイミングも人それぞれといえるでしょう。 たとえば、50歳の方が70歳まで働くとなると「20年」という時間があります。 貯蓄も大切ですが、20年という時間を使うなら資産運用も十分検討できる年数です。 自身で選択肢を狭めることがないように、今からしっかりと情報収集を進めていきたいものですね。 物価高のような社会情勢の変化だけでなく、突然の入院や介護の必要が出てくるなど、人生において何が起こるかは誰にとっても予測不可能です。 老後の収入の柱とされる年金以外の収入源を確保し、老後に向けて長期的な資金計画が重要となるでしょう。
参考資料
・総務省「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2023年(令和5年)平均結果-(二人以上の世帯)」 ・金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査]令和5年調査結果」 ・厚生労働省「令和6年度の年金額改定についてお知らせします」 ・厚生労働省「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
山本 大樹