突如爆誕した「mixi2」、クラブハウスの“二の舞い”になる可能性は? 同じ招待制だが異なる知名度、肝はマネタイズの成否だ
もし今後、多くの他社SNSサービスのように、広告を収益の柱とするのであれば、ユーザー数が多いに越したことはない。それでも門戸を狭める理由を考えると、ユーザー数にとらわれない収益モデルを見越している可能性はある。 mixi2が、競合と大きく異なるのが、投稿フォームの下部に「イベント作成」のボタンがあることだ。イベント名や開始・終了時刻、内容と公開範囲(公開、承認制)を入力でき、参加呼びかけの投稿が、簡単にできるようになっている。
現状ではオンラインイベントを前提としているように見えるが、ここに「オフ会」の要素を持ち込み、会場予約や、その際のフードデリバリーなどを絡める展開も考えられる。 Peatix(ピーティックス)のように、簡単にイベント開催ができるサービスとなり、手数料収入を得る余地もある。 趣味などの興味ベースでつながれる「コミュニティ」は、クラウドファンディングとも親和性が高い。熱量の高い「コミュニティ」から、ファン心理を揺さぶるようなグッズが生まれるなんて未来もあるだろう。
また、MIXIは近年、スポーツビジネスにも活路を見いだしている。会費制の「チーム公式コミュニティ」を通じて、選手とファンが交流できるようになる可能性も否定できない。 ■タイムラインは「フォローした相手の時系列順表示」 別媒体の話で恐縮だが、筆者は2024年春に「ねとらぼ」の記事で、mixiの事業担当者にインタビュー取材を行った。 その際に担当者は「他のSNSと併用していく使い方が、一番いいんじゃないか」との考えを示していた。それは裏を返すと、なにかの代替サービスではない「唯一無二なSNS」であり続ける決意表明とも捉えられる。
mixi2のタイムラインは、アルゴリズム表示による「フォロー無関係のおすすめ表示」が標準となったXと異なり、「フォローした相手の時系列順表示」で並んでいる。この仕様から、Xに移行しなかった世界線のTwitterを意味する「Twitter2」とのあだ名も付けられているが、個人的には完全なる別サービスだと認識したほうがよいように感じている。 その一端が見えるのが、mixi2の利用規約だ。「選挙運動、またはこれらに類似する行為および公職選挙法に抵触する行為」を禁止している点は、他のSNSとは一線を画している。「類似する行為」となれば、選挙期間以外の政治活動についても、同様に避けるべきなのだろう。