第３日、９番でラインを読む桂川有人

◇２６日　米男子ゴルフ　ＺＯＺＯチャンピオンシップ第３日（千葉県印西市、アコーディアＧ習志野ＣＣ） 　欧州ツアーを拠点にする桂川有人（２６）＝国際スポーツ振興協会＝が９バーディー、２ボギーの６３と猛チャージ。通算７アンダーで、３６位から１６位へジャンプアップした。 　いわゆる”裏街道”のインコースからスタートした桂川が３ホール目の１２番で最初のバーディーを奪うと、あれよあれよの快進撃。２つ伸ばして前半を折り返すと、後半は３番で下りの５メートルを決め、５番ではグリーン右ラフからチップインで決めるなど５バーディー、ボギーなしの猛ラッシュ。優勝した４月の日欧両ツアー共催大会最終日の神懸かり的なラウンドを再現するようなプレーに、本人も「調子がいいとは言えないんだけど」とビックリだ。 　ただ、予感はあった。海外志向が強く、昨年は好成績を残せなかったとはいえ米下部ツアーを１年間経験した。今年は４月の優勝で欧州ツアーの出場権を獲得。毎週のように違う国を転戦してきた。「得たものは慣れかな。ジュニアのころは頭で考えず、思うままにやっていた。今はそういう感覚に近い。何も意識せずにプレーできている」という。 　世界挑戦の先駆者で、文化功労者に決まった青木功さんは後に続く若い選手へ「行きたいところに行けばいい」と当たって砕けろの精神を説く。「強い環境にいると、勝手に引き寄せられる効果がある」という桂川は、いわば”青木イズム”の継承者だ。 　今大会でトップ１０に入れば、米ツアーの次戦に出ることができる。「今日みたいな日があるから頑張れる。ショットが戻れば、さらに成長したプレーができる。明日も今日みたいに、１つでも上にっていう気持ちでやりたい」。トップ１０まではあと２打。世界への扉はいくつあってもいい。