【石井美保】ミモレ世代こそ向き合いたい、自分の肌を好きになるためにすべきこと
現実から目を背けたくなるミモレ世代こそ、鏡で肌を観察してほしい。それが肌が変わるきっかけに
――年齢を重ね、選ぶコスメは変わっても、若い頃に覚えたスキンケアのやり方を当たり前のように繰り返している方が多いように思います。その一方で、「毛穴のたるみ」や「赤み」など肌の悩みが尽きないどころか、どんどん増えるという現実にも向き合っています。 石井美保さん(以下、石井):確かに40歳ごろから「もう自力では肌は変わらないのでは」と不安を感じるようになりますよね。忙しくて時間に余裕がない中でスキンケアをされているケースも多く、鏡を見ず“ながら”でしている方も多いのではと思います。でも、40代でも50代でもいくつでも、鏡をちゃんと見て、肌との向き合い方を変えていけば、肌は変わっていくのです。 ――鏡ですか……。確かに現実を直視したくない理由から、ちゃんと見てない気がします。 石井:「もう若い頃の肌には戻れない」「老けていく一方」と思っているとなおさらですよね。むしろ見ない方が、心の健全を保てる気がするのもよくわかります。でも、やっぱり肌を見て観察することが大事。そして、自分の肌状態を認識することで、スキンケアに対しての意識がおのずと変わっていくのです。洗顔後やお風呂上がり、そのままの流れで化粧水をざっと塗る方も多いと思いますが、洗顔後、ぜひ鏡で肌を観察してみてください。「赤みがある」「フェイスラインがゆるんでる」「毛穴が開いている」「肝斑が濃い」「くすんでいる」など、まず自分で把握することで、自分の肌の改善ポイントが明らかになっていきます。そして、認識したうえで、毎日ケアを続けていると、肌がきちんと応えてくれるし、「昨日よりも赤みが少ない」とか「いつもより透明感がある」といった、日々の細かな変化にも気づけるようになります。そうなると、もう一度、肌と向き合ってみようという意欲が湧いてくるはず。だからこそ、ミモレ世代には、じっくりと鏡と向き合うところから始めてほしい、と思います。 ――ただ鏡を見るだけではなく、ちゃんと意識しながら見ることが大事なんですね。 石井:そうなんです。さらに、化粧水をバシバシたたき込んでいるときに顔にシワをつくっていたり、美容液やクリームをなじませるときに肌がよれていることに気づくことも。この「ヨレ」や「シワ」をつくる行為こそ、肌をこすり、摩擦を起こしている証拠。そして、炎症を引き起こす原因なのです。多くの皆さんが感じている赤みは、ヒリヒリしたり、痛かったりという深刻な症状を伴うというよりは、うっすらと気になる程度ではないですか? でもこれこそ、微弱ではありますが、肌の中でボヤのように炎症がずっと起こり続けているサイン。そして、この毎日の摩擦で起こり続けてる微弱な炎症こそ、肌荒れや赤みを引き起こすだけではなく、エイジングサインを加速させることが、化粧品会社の最新研究ではわかっているんです。