松山市で314棟が浸水被害…なぜ記録的大雨に?冠水道路を走行する危険性
松山市付近では午前11時から正午までの1時間に100ミリの猛烈な雨、今治市付近でも120ミリの猛烈な雨を観測。松山市と今治市には稀にしか発生しない雨量であることを知らせる「記録的短時間大雨情報」が2000年以降初めて発表されてました。 松岡キャスター: 線状降水帯にはなりませんでしたけど、雨雲が停滞して危険な雨の降り方だったということですね。 水口気象予報士: そうですね。雨雲が停滞した理由は上空の風の流れなどが考えられますが、詳しい原因は現在、気象台が調査しているということです。 土曜日の夕方までに観測された1時間雨量は松山空港で78.5ミリ、松山で78ミリ、今治市玉川で66.5ミリなどいずれも観測史上最も多く、たった1日で平年11月1か月分の2倍以上の雨となり、季節外れの大雨となりました。
今回の大雨で多く見られたのが冠水した道路を走行する車。水の中を車で走るのはどう危険なのか専門家に聞きました。 JAF愛媛支部 ロードサービス隊近藤司 隊長: 「(車は)水に弱いものなので大変危険マフラーに水が入るほど冠水状態になるとかなりエンジンが停止する危険性の高い状況」 「下をご覧いただいたらここにマフラーがあって、すねのあたりの高さ、排気ガスを出しているところに対してアクセルが踏んでない状態になると水が吸い込まれる状態になる。正常な排気をしなくなる。最終的にはエンジンが停止してしまう」 さらに危険なポイントがもうひとつ…。 「これも車によって違うんですけど、バンパーの前のあたりに空気を入れる給気口ってのがある。エンジンの中に空気が入らないといけないところに水が浸入してきて、エンジン自体が破損する状況」
このほか車のセンサーが腐食することで破損することもあり、一般的に15センチから20センチほどの水深が車にとっては命取りになると言います。 今回の大雨を受け、JAFには2日当日だけでも松山市で車の浸水に関する連絡が50件と相次ぎ、このうち28件については牽引するなどの対応を取ったということです。 近藤さんは「駐車場に停車中に浸水した車でも感電や誤作動のリスクがある」として、エンジンをかけずにレッカーなどの依頼をするよう呼び掛けます。 そして、もしも冠水した道路に出くわした場合はどうすればいいのか。 「冠水していると感じた時点で必ず止まって、引き返せるのであれば引き返して、高台などがあるのであれば浸水を防げる場所に避難していただく一時的なものであれば雨が止むまで我慢していただく ということは必ずやっていただきたい」