髙橋ひかる、木村慧人は「子犬のような愛らしさがある」 俳優業を通して叶った“変身願望”
俳優という職業を通じて叶える“変身願望”
――イヴは自分に自信を持って進むキャラクターですが、自信を持つために心掛けていることはありますか? 髙橋:私は揺らいで固まって、また揺らいで固まって……のくり返しなんです。それは成長していく過程で必要なことだと思うのですが、とても刺激の多い職業なので、たくさん揺れてしまいます。そのなかで、あえて揺れてしまうことを怖がらないように心掛けています。でも、さじ加減が難しくて。なんでも受け入れてしまうと美紅のようになってしまうし。受け入れつつも、積み重ねたものは自分に取り入れて確固たる軸を持てるように、バランスを大切にしています。 木村:自信を持つために……というわけではないのですが、人に寄り添って否定しないように心掛けています。人ってやっぱり好き嫌いがどうしても出てきますよね。でも僕は嫌いな部分が見えてきてしまっても「もう話すことをやめよう」ではなく、その人のいいところを探すようにしています。例えば、このドラマでは西垣くんが演じるハルくんはモラハラ男になってしまいますが、ただ嫌いになるのではなく、ハルくんの良さを見つけるみたいな。そういうことをすることで人に対して強くなれるのかなとは思います。 ――イヴの自由さは強さですよね。 木村:イヴの強さは過去に嫌なことがあったことで、芽生えてきたものだとは思います。僕も周囲にどう思われても、やり遂げたいという思いはあります。例えば、グループでのパフォーマンスでも僕は常に何事にも全力でやるタイプなんです。その強さはイヴくんと僕の共通点かもしれません。 ――メイクによって気持ちも大きく変わっていくことが描かれている作品ですが、お2人は変身願望はありますか? 髙橋:幼少期は強かったですね。いまもあると思います。こういうお仕事をしていると、パブリックイメージってあると思うんです。そのなかで、求められることを意識して「こうしたほうがいいのかな」と考えてしまう部分もありますが、人って変わっていくものだし、変身願望という言葉ほど強いものではないかもしれませんが、やっぱり変化していきたいという思いは強いです。いまこの世界に入って10年目ですが、20年目、30年目でまったく違う自分になっているのかもしれない……という楽しみはあります。 木村:僕もあります。俳優という仕事をさせていただくなかで、自分と真逆の役柄を演じることってすごく楽しいんです。しかも、自分が携わった作品に影響を受けて、誰かが何かを目指したりするなんてことを想像するとドキドキします。僕も『メジャー』というアニメを観て、野球選手に本当になりたいと思ったことがありました。それだけ人に影響を与える作品に自分が参加できて、自分自身にも新しい発見があるような役に出会えたら、すごく素敵なことだと思います。
磯部正和