CarPlay登場で群雄割拠時代を迎える車載OS
iPhoneやiPadですっかりおなじみとなった米AppleのiOS。このiOSが、車載OS「CarPlay」として各自動車メーカーの車に組み込まれる見込みが出てきました。そこで車載OSの中でも、特に「情報系OS」と呼ばれる分野の動向について見ていきたいと思います。
「CarPlay」に対応するメーカーは?
米Appleは3月3日、車内でiPhoneが快適かつ安全に使える「CarPlay」対応車種が、世界各国の主要な自動車メーカーからリリースされると発表しました。このCarPlayは、2013年6月に「iOS in the Car」として発表されていたもので、インダッシュタイプの車載ディスプレイモジュールとiPhoneをLightningケーブルで接続。Siri経由でのボイスコントロールにより、ハンドルから手を放すことなく電話の発着信や地図の操作、音楽の再生、インスタントメッセージ「iMessage」の送受信などが行えるようになります。 同社の発表によると、フェラーリ、メルセデス・ベンツ、ボルボが3月中にCarPlay対応車種を発表するほか、本田技研、三菱自動車、日産自動車、富士重工業、スズキ、トヨタ、BMWグループ、フォード、ゼネラルモーターズ(GM)、現代自動車、ジャガー・ランドローバー、起亜自動車、PSA・プジョーシトロエンの各社が今後対応車を発売するそうです。
Googleも2014年末までにAndroid搭載車両を開発
自動車の車載OSは、エンジン制御をはじめブレーキやエアバッグなどまで含むデータを扱う「制御系OS」と、音楽やナビゲーションシステムといった主にマルチメディア関連のデータを扱う「情報系OS」に大きく分類されます。情報系OSは、エンターテインメントとインフォメーションを統合した「車載用インフォテインメント(IVI:In-Vehicle Infotainment)」システムの礎にもなる部分です。今回のCarPlayは、後者の情報系OSに相当するもので、米Appleの本格参入によって市場競争がさらに激化する可能性が出てきました。 iOSと聞いてまず思い浮かべるのは、モバイル市場でシェア争奪戦を繰り広げているGoogleのAndroid OSでしょう。実はGoogleも情報系OSの分野に参画しており、1月6日には自動車に対するAndroid OSの搭載を目的とした団体「Open Auto Alliance(OAA)」を設立しました。この団体には、自動車メーカーのGM、アウディ、本田技研、ヒュンダイおよび、半導体メーカーのNVIDIAが参加。2014年末までにAndroid搭載車両が登場する予定となっています。