【RWS】伊藤紗弥、日本人女性初のラジャダムナン王者へ向かって突き進む「今回の相手は勢いがあって、バチバチな試合になると思います」
2024年7月14日(日)千葉・TIPSTAR DOME CHIBA『RWS JAPAN 2024』(U-NEXT配信)にて、アトム級(46.26kg)2分3Rでノンパーフォン・ファミリームエタイ(タイ)と対戦する伊藤紗弥(尚武会)のインタビューが主催者を通じて届いた。 【写真】パヤーフォンにローを蹴る伊藤 伊藤はジュニアキックで数々のタイトルを獲得。2012年12月には中学2年生にしてタイでWPMF女子世界ピン級暫定王座に就いた。2014年4月に国内で正式にプロデビューを果たすと、国内外の強敵を相手に快進撃を続けWPMF・WMC・WBCムエタイと女子世界王座の三冠を制覇。2021年4月にBOM女子ピン級(-45.53kg)初代王座、11月にBOM女子ライトフライ級(-48.98kg)王者になると、2022年5月にはナムワンを破りIPCC世界女子アトム級王者となって世界四冠王に。 2022年10月にはさらに上の階級である-50kgで『MUAYTHAI SUPER CHAMP』のトーナメントに参戦も決勝で涙を飲んだ。2023年3月にはタイ・パタヤで勝利し、IMSA王座を新たに獲得。9月の『RWS』でモンクッペットに判定負けを喫し、RWSでの2分3R制を踏まえてパンチを強化して11月のBOMでは予告通り左フックでミンタを2RでKOした。12月にはラジャダムナンスタジアムで初勝利、2024年1月の『TOP BRIGHTS』ではサネーガームとの再戦で返り討ち、そして2月のRWS JAPANではノンミンを2RでKO、4月の同大会では元K-1王者のパヤーフォンも判定で破り、5月には『ムエローク』でペチャサンジャンに2RでKO勝ちして6連勝中。 対戦するノンパーフォンについてマッチメーカーの中川夏生BOM代表は「ノンパーフォンはムエマッド、パンチの強い選手です。女子のこの階級でKOもある、46kgでパンチで倒せる選手なので凄く面白い試合になると思います。パヤーフォンに完封勝利した紗弥選手は、ラジャダムナンスタジアムもこの階級でランキングとタイトルを作るという話があるため、女子初のラジャ王者を視野に入れています」と話した。 ■カナ選手とやる機会があれば全然私は受けて立つ ――前戦5月のムエロークでペチャサグジャン選手に2R TKO勝ちでした。その前の4月のRWS JAPAN第二回大会では、元K-1王者パヤーフォン戦は完勝でしたが、今あの試合を振り返っていかがでしたか。 「自分のペースで戦えたので良かったなと思います。パヤーフォン選手は蹴りの選手というイメージがあったので、もっと蹴ってくるかなと思ったんですけど、意外とパンチで入ってくることが多かったので、そこがちょっとイメージしていたものと違いました」 ――逆にパヤーフォン選手がパンチで攻めてきただけに戦いやすかったりしました? 「そうですね。もうちょっと蹴り合いの攻防になるかなと思ったんですけど、パヤーフォン選手のパンチに合わせてヒザ蹴りが入ったり、もともと私が蹴り主体の攻めなので、蹴りで対応できたことで逆にやりやすかったところはあります。パヤーフォン選手はK-1で多く試合をしただけに、K-1ルールに慣れたことでパンチが多かったのか、ジムを何度か移籍しているのでジムのスタイルでそういう戦いになったのかはわからないんですけど、イメージしていた戦い方とは違いました」 ――実際、パヤーフォン選手の攻撃を受けてどうでした? 「威力はすごく重くて、まともにもらったらやばいなというのはあったので、そこは注意しながら戦いました。蹴りに関しても重かったですね」 ――作戦はどういったものを考えてたんですか? 「バンバン蹴ってくるイメージがあったので、蹴りでも勝てるように自分も蹴っていき、パンチも少し出せたらいいなという作戦でいました。1R目に戦ってみて、大丈夫だなとすぐに思ったので、2、3Rではいろんな技を試しながら試合を運ぶことができました」 ――ルールは違いますが、菅原美優選手、MIO選手といった日本トップファイターに勝っているパヤーフォン選手の得意とするルールで勝ったことで伊藤選手の評価もさらに高くなったのでは? 「周りがどう評価しているかは分からないですけど、自分ではパヤーフォン選手と戦えたことが嬉しいだけでなく、勝てたことも嬉しいですね」 ――今回の相手、ノンパーフォン選手の印象はどうですか。 「まだ映像はじっくりは見てないのですが、今年2月にRWS2度目の参戦した時の翌日のRWSに出ていて、階級は私と一緒だったので、いつかやるかなと思って見ていた選手した。その時は1RでKO勝ちしていたので、凄く勢いがあると。まだ若いので、何も恐れ知らずというか、結構どんどん突っ込んでくるようなタイプという印象はあります。控室にいる様子を見たら、緊張している雰囲気は全くなく、試合慣れしているなと」 ――今回はどう戦いますか 「相手がサウスポーで距離が遠くなるので、1Rに蹴りがどれだけ入るのかを確かめながらダメそうだったら、ムエタイではなく、上下に動きながらキックボクシングのようにパンチとキックを混ぜて戦っていきたいと思います」 ――ラジャダムナンスタジアムではご自身の階級のミニマム級でランキングも発表され、伊藤選手は現在2位にランクインされたことで、さらにテンションも高まっていますか? 「自分の階級が開設されたことはすごく嬉しいです。私はそんなにランキングは気にするタイプじゃないのですが、次の相手は4位の選手で、負けるとランキングが下がってしまうので負けるわけにはいかないです。まだ確定していないのですが、多分、私たちの階級で8人制トーナメントをやって優勝したらチャンピオンになれるとは聞いています。なので、そのメンバーに選ばれるためにも今回は落とせない試合になります」 ――ちなみに1位は、昨年9月のRWSで敗れているモンクッペット選手です。モンクッペット選手は6月にMISAKI選手にムエタイルールで勝って勢い付いてますね。 「やっぱりムエタイルールだと彼女はすごく強いですし、ミニマム級がベストな階級だと思うので、身長も武器になるので、さらに強さを発揮していると思います」 ――再戦で勝つ手応えはありますか。 「そうですね。モンクッペット選手とやった時はRWS初参戦ということもあり、ルールもあまり分からなかったですし、2分3Rという試合形式やラジャダムナンスタジアムに上がったのも初めて緊張もしていたので、次にやれば絶対に大丈夫だと思います」 ――さらに7位には伊藤選手との対戦をアピールしているカナ・ウォーワンチャイ選手がいます。 「カナ選手は今回パヤーフォン選手に勝ってトーナメントが始まったら、出場メンバーに選ばれる選手だと思います。私としては決勝戦でモンクッペット選手にリベンジしてチャンピオンになるのが理想ですけど、カナ選手にも勝ち上がってきてもらって決勝戦で対戦できたら、日本の女子ムエタイのレベルが上がっている証明になると思うので、その展開も楽しみですね。カナ選手がプロデビューしてから何度か試合を見てますけど、いつかやるだろうなと思っていた選手でした。 やる機会があれば全然私は受けて立ちたいと思います。自分の中で目標にしているのはラジャダムナンスタジアムのベルトがあるので、自分はそこに向かってますが、その過程の中で対戦するタイミングがあったらやりますし、負ける気もしないです。彼女とはやっぱり経験値が違うので、そこは対戦したら感じるのかなと思います。まずは、次の試合ですね。今回の相手は勢いがあって、バチバチな試合になると思います。2分3Rと試合時間は短いので1Rから楽しんで見ていただけたら嬉しいですね」
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