生保の為替ヘッジ比率が13年ぶり低水準、想定外の円高転換にリスクも
生保の決算資料によると、ヘッジ比率の低下はフォワード取引の減少が理由だ。長期投資に用いられる通貨スワップのヘッジ比率は過去最高の13.6%となり、プットオプションの比率は5.4%と3月の4.6%から上昇した。
24年度上半期の円相場は乱高下した。大幅な資本流出に直面する中で、7月に一時1ドル=161円95銭とおよそ38年ぶりの安値を付けた。一方、財務省が実施した総額15兆3000億円に上る為替介入が円安の反転に寄与した。
FRBや他の中央銀行が利下げに動き、ヘッジコストが低下したことは生保にとって朗報だ。ドル安・円高に備えるための3カ月間のコストは23年10月のピークから約150ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下した。22年9月以来マイナスが続く為替ヘッジ付き米国債10年物の利回りはゼロに近づいている。
門田真一郎氏らバークレイズのストラテジストはリポートで、米欧中銀の利下げと大規模な債券発行により、25年はヘッジ外債の利回りがプラスに転じる見込みだとし、為替ヘッジ比率は再び上昇する可能性があると指摘。為替スポットでの円買いを示唆すると分析した。
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Masaki Kondo