NMB48安部若菜「“本”は居場所」、ついに2作目発売を迎えた心境を明かす/小説『私の居場所はここじゃない』執筆エッセイ
文芸作家としても活動するNMB48の安部若菜の2冊目の小説『私の居場所はここじゃない』が12月6日(金)に発売された。安部の1作目の小説『アイドル失格』は全12話で実写ドラマされ、「コンプティーク」でコミカライズも進行中。第2作『私の居場所はここじゃない』発売までの期間、NMB48の主力メンバーとして活動する傍ら小説執筆にも精力的に挑戦する安部若菜の作家としての努力やアイドル活動との両立について綴るエッセイをお送りする。連載第8回は、いよいよ発売日を迎えた著者としての心境や、インタビューで問われた「安部若菜にとって本とは?」への答えについて綴ります。 【画像】装画家・ふすいが手掛けた『私の居場所はここじゃない』表紙 ■構想から2年…ついに2作目「私の居場所はここじゃない」が発売! この日まで、あっという間でした。 次作の小説の構想を考え始めたのはもう2年前くらい。 とうとう、2作目の小説『私の居場所はここじゃない』発売日です! 数日前から書店に本が並んでいるのを見て少しずつ実感を高め、今日12月6日を迎えました。2作目、といえど処女作の時と変わらず興奮しますし、嬉しいよりは、不安や緊張のほうが大きいです。 ネガティヴ人間ゆえに、言われてもいない悪口を想像して勝手に傷ついたり…。妄想悪口で凹むのはよくやってしまうことなのですが、こんなに不毛なこともないと思っていますので、これを機に治したいものです。 ですが、書店に並んだ子たちを見て思うのは、ただ一心に、この本を沢山の方が手に取ってくださるといいな、楽しんで読んでもらえるといいな、ということのみです。 本を出すにあたって、「本当に書籍を出すんだ…」と実感するタイミングが3回ほどありました。 (1)発売を発表した時 (2)本が手元に届いた時 (3)本屋さんで自分の本を見かけた時 この中でも圧倒的に3つ目が1番大きく、じんわりとした感動を伴ってやってきます。 こうして今日を迎えられたのも、本を楽しみにしてくださった皆様、KADOKAWAの皆様、全国の書店員の皆様や、NMB48の周りの皆様のお陰です。きっともっと沢山の方のお力をお借りしていて、出会うことはなくとも沢山の方々と共に作っていることを思うと、この一冊の本が愛おしくてたまりません。 ■安部若菜にとっての“本”とは…「居場所」 小説のインタビューの中で「あなたにとって本とは何ですか」と問われました。私はその質問にすぐに答えられず悩んでしまいましたが、改めてじっくり考えてみれば、「心の支え」なのかな、と思います。 読者として、小さい頃から何度も小説の中の物語に助けられてきました。現実で嫌なことがあっても、本を開けば皆が友達で、仲間で、憧れの人で。 今でもそれは変わりません。 でも、最近はその読者の目線に加えて、書く側としても、書く作業が楽しくて、心の拠り所にもなっています。 …ここまで考えてみて、「あなたにとっては本とは何ですか」の正解をようやく見つけました。 「居場所」です。 『私の居場所はここじゃない』を出版するなら、絶対そう答えるべきでしたね。出版前に気付きたかったですが、今後インタビューを受ける機会があればそう答えたいです。 そしてこの本が、誰かの居場所になることを切に願っています。 夢を追う5人の眩しくも、どこか現実的な物語。皆様の胸には、どんな風に届くのでしょうか。 ■芸能スクールで夢を追う5人の青春小説「私の居場所はここじゃない」あらすじ 舞台は大手事務所主催のエンターテイメントスクール。3月にある事務所所属をかけたオーディションに向け、高校生5人はレッスンに励んでいた。 友達と一緒に応募したオーディションで特別に声をかけられ、成り行きでアイドルを目指すことになり、当たり前だった「青春」や友人関係に息苦しさを感じ始める莉子。 亡くなった母の期待を背負い、結果を残したいと焦る、ダンスボーカルグループ志望の冬真。 「子どもを産まなければモデルになりたかった」という母の言葉で将来の夢を決め、SNSの活動を頑張るモデル志望の美華。 「普通」「真面目そう」と言われ続けてきたことにコンプレックスを抱き、「特別」になりたいと強く願う俳優志望の純平。 いじめが原因で自ら芸能活動を辞めたが、もう一度自分の居場所を求めて入学を決意した、元天才子役のつむぎ。 嫉妬や葛藤を乗り越えて彼らが最終オーディションの舞台に立つとき、どのような"光"を放つのか――。