大型トラックの100km/hでの衝突を想定したものも! それならガードレールの内側は安全なのか考えてみた
■どれくらいの衝撃に耐えられるの?
国土交通省では、車両用防護柵の耐衝撃性能にもしっかり基準を設けています。 道路にはそれぞれ法定速度や制限速度で走行する速度の上限が設けられているので、防護柵もその速度に応じた強度の「種別」で適用を分けています。先述のように防護柵の目的は、柵の内側への被害を防ぐだけでなくクルマの乗員の被害も抑えることも重要なので、適度に変形しなくてはなりません。高速道路用の高強度のものは制限速度が30km/hの道には強度があり過ぎて合わないというわけです。 ちなみのその基準というのは、総重量25トンの車両が15度の衝突角度で当たった場合に必要な強度とたわみ性をもっているというものです。 「種別」は「想定衝突速度」で26、30、45、50、65、80、100km/h以上と7段階にわけられていて、さらに「路側用」、「分離帯用」、「歩車道境界用」の3分類があり、全部で19種にわけられます。 ※高速道路には歩車道境界用は除外 ただし、これは基準とする状況での強度設定なので、衝突の角度が15度よりも深かったり、多重事故で衝撃の入り方が複雑になったりすると許容限界をオーバーしてしまうことが十分に考えられますので、「ガードレールの内側は安全だ」と安心し切ってしまうのは逆に危険かもしれません。
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