大型トラックの100km/hでの衝突を想定したものも! それならガードレールの内側は安全なのか考えてみた
・ガードパイプ型
ガードレールの波形ビームの代わりに、直径50~60mmくらいのスチールの丸パイプを2~3本使ったタイプの防護柵です。 「景観形」とも呼ばれていて、遮蔽面積が少ないことで柵の内側(クルマから見たら外側)の様子が見やすい構造になっています。衝突時の働きはガードレールと同様ですが、コストはこちらの方が少し高く付くようです。
・ボックスビーム型
こちらは高速道路の中央分離帯などで使われることの多いタイプです。200mm四方くらいの角パイプを125mmくらいの角パイプの支柱で支える構造の防護柵です。 これもビームと支柱の変形で衝突時の衝撃を緩和する構造です。表裏がなく一列で済むことから、中央分離帯の用途に適しています。また、このタイプでビームに木材を使用したものもあるようです。
・ガイドケーブル型
ビームの代わりに直径18mmくらいの鋼線ケーブルの張力で衝突の衝撃を受け止めるタイプの防護柵です。 ワイヤーの張りは両エンドの支柱が受け持ち、途中の支柱は柵の内側への力を受け止めるだけという構造になっています。設置が容易なので、長い区間の使用に適しています。 ガードパイプ型よりも遮蔽面積が少なくできるので、景観が楽しめる海沿いの道に使われたり、あるいは積雪の重さの影響を受けづらいことから、降雪地域の防護柵として使われることが多いようです。
・橋梁用ビーム型
このタイプは、橋からの車線逸脱による落下を防ぐ目的のものなので、たわみ性よりも剛性を重視した作りになっています。 橋のタイプや道路の速度などによっていろいろな構造のものがありますが、標準的なものはガードパイプ型に近い外見のものが多いでしょう。ただし、外見は似ていてもその強度は別物で、ほとんどたわまずに衝撃を受け止める靱性と剛性を持ったパイプが使われています。 そして、衝突の予防策として、「地覆(ジフク)」と呼ばれる土台部分を道路側に延長した構造にして、クルマの接近を一段階防ぐようになっているところも多くあるようです。