米消費者の信頼感、3年ぶり大幅悪化-労働市場と経済先行き懸念
(ブルームバーグ): 米消費者の信頼感は予想外に悪化し、9月は3年ぶりの大幅な落ち込みとなった。労働市場と経済全般の先行きが懸念されている。
今後6カ月の期待指数は81.7に低下。現況指数は124.3に下がった。
労働市場はこのところ減速し、長期化する生活費高騰と相まって消費者心理を圧迫。信頼感指数は新型コロナ禍前の水準を大きく下回ったままだ。しかし先週の利下げを起点に一連の利下げが予想されており、すでに住宅ローン金利など借り入れコストの低下につながっている。今後のセンチメントが押し上げられる可能性はある。
コンファレンスボードのチーフエコノミスト、ダナ・ピーターソン氏は「指数の主要部分が全般的に低下したのは労働市場への不安と、就労時間の減少や雇用者数の伸び悩み、求人の減少に対する見方を反映している可能性が高い。労働市場は依然としてかなり健全で、失業率は低く、レイオフも少なく、賃金は高い。そういった状況と相いれない」と発表文で述べた。
雇用が「豊富にある」との回答比率は30.9%と、2021年3月以来の低水準。08年以来の長期局面となる7カ月連続で低下した。仕事を「見つけにくい」との回答比率は18.3%に上昇。21年2月以来の高水準だった。
この差は8カ月連続で縮小し、08年の金融危機に伴うリセッション(景気後退)後では最長記録。エコノミストは労働市場の強さを測る指標としてこの差に注目している。
向こう1年でリセッションに陥る可能性は低いと消費者はみているものの、すでに景気が低迷していると考えている回答者の比率は「小幅に上昇した」とピーターソン氏は指摘する。家計に対する見方は現在も将来も依然ポジティブではあるが、明るさは薄れたという。
今後1年に政策金利が引き下げられると予想する回答者は、全体のおよそ3分の1。20年4月以来の高い比率だった。記述式の回答でも、景況感への影響という説明で金利への言及が増えた。