高校時代は立てなかった花園ラグビー場で行われる関学大戦へ、闘志を燃やす関大DL稲田一聖

関西学生アメフト1部リーグで4勝1敗の関大は23日、5戦全勝の関学大戦（26日、大阪・花園ラグビー場）を前に大阪・吹田市の自校グラウンドで練習を公開した。勝てば優勝へ近づく半面、負ければ3位までが条件の全日本選手権出場も危うくなる可能性がある、今季の命運を握る一戦。磯和雅敏監督はロースコアの展開に持ち込みたい考えを示した。 指揮官は今季の関学大について「個人的なイメージですが、まだ〝本当の本気〟を出していない。1段階も2段階もギアを上げてくるはず」と警戒。「点の取り合いになったらついていけない。オフェンスは21得点以上、ディフェンスは10何点以下に抑えないと勝てないと思っている」と選手に奮起をうながした。 守りの柱となる関大DLには、〝聖地〟への思いを秘めてフィールドに立つ2人の選手がいる。石井誠（4年）は兵庫・報徳学園高では硬式野球部の外野手。しかし背番号「16」でベンチ入りした3年夏はコロナ禍で甲子園大会そのものが中止になり、夢舞台に立つチャンスさえなくなった。「ショックでした。その悔しさもあり、違う競技ですがもう一度、甲子園を目指して本気でやっていこうと思いました」と高校時代の体重78キロを20キロ増やし、甲子園ボウルを目指してきた。 「自分の役割を全うしたい。最初から最後まで全力でやっていく」と関学大の攻撃を阻止して勝利に導き、憧れの舞台を引き寄せるつもりだ。 稲田一聖（3年）も同じ報徳学園高出身だが、こちらはラグビー部のPRだった。今回の関学大戦の舞台は、高校ラグビーの聖地、花園ラグビー場。同高は49度の花園出場を誇る名門だが、稲田自身は3年間メンバー入りを果たせず、スタンドから仲間を見守るしかなかった。それだけに「大学に入って花園でプレーできるとは思っていなかったので、すごくうれしい」と感謝。「低く強く、自分の体を生かしたプレーで関学大のOLをつぶすつもりでやります」と180センチ、135キロの巨体に闘志をみなぎらせた。（月僧正弥）