「他者受け入れる寛容性を」 レバノン支援、中島さんトーク会 長野県駒ケ根市
中東・レバノンのシリア難民の子どもたちの教育支援事業に携わる認定NPO法人「パルシック」スタッフで、長野県駒ケ根市出身の中島雅樹さん(31)によるトーク会が20日夜、同市内であった。難民の受け入れに寛容とされ、現在はイスラエル軍による地上侵攻のただ中にあるレバノン。中島さんは、来場した高校生らに平和を考えるヒントを提示、「他者を受け入れる寛容性を持ち、共存し交流することが大切」と訴えた。 レバノンでは2023年10月以降、イスラム教シーア派組織ヒズボラとイスラエル軍の紛争が続き、今年8月に退避勧告の対象国となっている。JICA海外協力隊経験者の中島さんは23年6月から、レバノンで学習支援に当たってきた。同年12月に同NPO法人スタッフになりヨルダンに滞在。現地スタッフとのインターネットなどでのやりとりを通じ、子どもの心をサポートし教科書や授業を提供するなど、就学率向上を目指した支援に当たる。 一時帰国中の中島さんは、レバノンの歴史や文化、教育環境、自身の活動などについて紹介。「レバノンはモザイク国家と呼ばれる。信仰されている宗教は18にも上り、民族や言語、文化に多様性がある」と説明。「日本のような一国家一言語は当たり前じゃない。他者に対する寛容性が大切であり、好奇心を育み理解する場をつくることが大事」と述べた。 トーク会は、高校生らに世界に目を向けるきっかけにしてもらおうと、駒ケ根協力隊を育てる会が主催。来場した伊那弥生ケ丘高校3年の生徒は「学校に行けるのは当たり前だという恵まれた環境にあることに感謝したい。他国のことをもっと知っていきたい」と話した。