頬張る夕日と灯台 丼とデザートで復興盛り上げ 島根県出雲市・日御碕のフェスで特別メニュー
7月の豪雨で市街地につながる唯一の県道が崩落し、観光業が打撃を受けた出雲市大社町日御碕地区で23日に開催される「灯台フェス日御碕2024」に合わせ、地元飲食店が夕日や灯台をイメージした特別メニューを期間限定で販売する。晩秋のイベントに合わせて復興への機運を盛り上げる。 【写真】写真家・石川直樹 島根半島を往く 「あの世」への入り口 別の場所に導かれる感覚
同地区では約2カ月にわたり一般車両が通行できず、書き入れ時の夏場に休業を余儀なくされた。フェスは地区の観光振興につなげようと、市やTSKさんいん中央テレビなどでつくるコンソーシアムが主催。音楽ライブや抽選会、グルメ屋台などがある。 灯台近くの飲食店2店舗がイベントを盛り上げるため、メニュー開発に取り組んだ。海鮮丼が人気の花房商店は、夕日に見立てた卵の回りにイクラをまぶし、赤く染まる空の情景を表現した「夕日灯台丼」を売り出す。 ヒラマサやタイなど取れたての地魚ものせる。店主の花房芳政さん(71)は「新鮮な魚を味わって、地区のリピーターになってほしい」と期待を込めた。 タツザワミサキカフェは、バニラソフトの上に夕日と同じ赤いシロップをかけ、特注した日御碕灯台の形をしたクッキーをのせて「夕日サンデー」と名付けた。オーナーシェフの龍澤潤さん(38)は「地区を盛り上げることが支援の恩返しになる。復旧は半ばだが、サンデーを食べながらフェスを楽しんでほしい」と話した。
夕日灯台丼はフェス当日から29日まで1日限定10食、1800円で販売。夕日サンデーは当日と24日に限定30食を、700円で提供する。両店舗は来店者の反応などを見て定番メニュー化も検討する。