「大きく左右されない」個性派チーム中国・四国は新ルールも大歓迎!?前回ベスト4の山崎隆之監督は「さらに“上”を」/将棋・ABEMA地域対抗戦
全国を8つのブロックに分け、エリア対抗の形式で行われる団体戦「ABEMA地域対抗戦2025 inspired by 羽生善治」が1月11日に放送を開始する。チーム中国・四国(鳥取・岡山・島根・広島・山口・香川・徳島・高知・愛媛)の監督を務める広島市出身の山崎隆之八段(43)は、2期目の今期こそ「優勝」と高い目標を掲げる。個性豊かな所属棋士からどんなメンバーを出場登録するのか。ルール変更も行われる今期、山崎監督の采配やいかに。 【映像】意気込みを語る山崎監督の表情 第2回開催を最も喜んだのは、中国・四国を率いる山崎監督だったと言っても過言ではない。「嬉しかったですね。“地域対抗戦”というあまりにも大きな規模だったのと、日本将棋連盟100周年ということが銘打たれていたので、正直1回限りの特別大会だと思ってました(笑)」。第1回大会は予選突破を果たしたものの、ベスト4で敗退。「前回は優勝はできませんでしたが、また注目されるチャンスがあるのは嬉しいです」と再び訪れた“祭”の季節に心を躍らせていた。 5人制で行われる地域対抗戦に対し、自身もリーダー経験のあるABEMAトーナメントは3人制。「後者はどちらかというと個人戦に近く、自分が負けるとチームの空気が悪くなっていてどんどん負ける…というのがあるんです。一局のプレッシャーというのがそれはそれで面白いと思うんですけど、勝った時の雰囲気に違いがあります。前回の地域対抗戦は勝ち抜き戦だったので、個人のパワー=チームの勝利という感じでした」。爆発力が魅力のチーム中国・四国は、今期はどんな飛躍を見せてくれるのだろうか。 今回の『地域対抗戦2025』では対戦方式を一新し、監督と大会出場登録棋士の5人が登場するステージ1、勝利した棋士だけが出場するステージ2の二段階方式を採用する。不安を口にする他地域監督もいる中で、山崎監督は「そこまで大きく左右されないんじゃないかなとは思っています」とキッパリ。「勢いに乗ると強いメンバーが揃ってるのでルール変更自体はあまり関係なくて、試合当日の調子と雰囲気が良くなるかどうかが大きいですね。むしろ新たな制度なので楽しみです」と新ルールにも自信をのぞかせていた。 前回大会から1年の間には、山崎監督自身がヒューリック杯棋聖戦五番勝負の挑戦者となるなどトッププレーヤーとして躍進。15年ぶり2度目のタイトル戦を経験したことで、より高い目標も描くようになったようだ。前回大会は同じ広島市出身の糸谷哲郎八段(36)、岡山市出身の菅井竜也八段(32)のタイトル経験者2名を擁する重厚な布陣で地域の存在感を発揮。愛媛県松山市出身の黒田尭之五段(28)と香川県高松市出身の新鋭・藤本渚五段(19)とのチームワークも光った中で、今期は出場登録棋士に誰を選ぶのだろうか。「さらに“上”を目指すということで、実績と調子の良いメンバーを選んで優勝を目指せるチームにしたいです」。個性派揃いの地域ともあり、今期のメンバー選出も大きな注目を集めることになりそうだ。 新生チームと新ルールによって更なる盛り上がりが期待される第2回大会。「去年は、監督は“采配”の仕事が中心で、チームメンバーにお願いして祈るような形で勢いを殺さないようにという感じでした。今年はチーム全員で負けないように戦う制度だと聞いてますので、自分自身もしっかりチームの一員として働かなければいけないと思っています。その辺りの采配を含めて、より力が入るようなシステムだったのでチームの力になれるように。将棋の方もしっかり整えなきゃなっていうのが楽しみです」。今期の中国・四国も“台風の目”となることは間違いなさそうだ。 ◆ABEMA地域対抗戦 inspired by 羽生善治 全国を8ブロックに分けた「地域チーム」によって競う団体戦。試合は監督と出場登録棋士4人の計5人が参加。全員が1局ずつ指す「ステージ1」と、ステージ1で勝った棋士が負けるまで指し続ける「ステージ2」に分かれ、5人を先に倒した方が勝利チームとなる。対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールール。大会は2つの予選リーグに4チームずつ分かれ、変則トーナメントで2勝すると本戦進出。ベスト4となる本戦は通常のトーナメント戦。 (ABEMA/将棋チャンネルより)
ABEMA TIMES編集部