既成概念を覆せ! 革命を描いた勇気と希望の映画5選!
リーアム・ニーソンの渾身の演技に胸が震える!『マイケル・コリンズ』
長きにわたってイギリスの統治下に置かれ、真の自由を束縛され続けてきたアイルランド。そこからの独立を目指して民衆を力強く導いた立役者の一人がマイケル・コリンズだ。主演リーアム・ニーソンといえば『頼れるリーダー』『尊敬すべき師匠』という役柄を幾つも演じ続けてきたことでお馴染みだが、長身で屈強なカラダつき、迫真の演技力で繰り出されるカリスマ性は本作でも計り知れず、一つ一つの言動にも仲間や祖国への並々ならぬ愛情が溢れる。 激しい独立戦争の果て、コリンズは代表団の一人として参加したイギリスとの条約交渉で、たとえ目的達成には程遠くてもまずは戦争を終わらせ、成果と呼べる”確実な一歩”を手にすることを選択。しかしその結果、アイルランドが条約賛成派と反対派に引き裂かれて内戦状態へ突入してしまう様があまりに哀しい(この顛末はケン・ローチの傑作『麦の穂を揺らす風』にも詳しい)。アイルランドを代表する名匠ニール・ジョーダンの手堅い演出により、祖国の英雄の姿が力強く刻印された本作。ヴェネツィア国際映画祭では金獅子賞を受賞している。
文=牛津厚信 text:Atsunobu Ushizu